第37話

踏み出せない勇気
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2025/04/28 10:13 更新
オロチ
オロチ
お前は本当に星が好きだな
百瀬アリサ
百瀬アリサ
うん、好き。星を見ていると
嫌な事とか辛い事とか、
一時的に忘れさせてくれる
オロチ
オロチ
東京に居た頃からも
ずっとそうしていたのか?
百瀬アリサ
百瀬アリサ
そうだね。東京にだって、
星が見えやすいスポットも
あったんだよ? まあ、灯りが
多くて前住んでたとこからは
見えにくかったけどね?
オロチ
オロチ
その時はアズサも一緒だったか?
百瀬アリサ
百瀬アリサ
いや、いつも私だけ。
…今思えば、アズサにも
一緒に来てもらえば良かった。
アズサは私と違って眠りが
深い方だったから、夜中に
目を覚ましたりとかは
殆どなかったからね
オロチ
オロチ
そうか




















































































































それからも星を見ながらオロチと

他愛のない会話を続けるアリサ。































































































百瀬アリサ
百瀬アリサ
あ、そうだオロチ
オロチ
オロチ
何だ?
百瀬アリサ
百瀬アリサ
今日は渡したい物があるの。
最強妖怪を目指して、日々
修行しているオロチにね?
オロチ
オロチ
渡したい物…?
百瀬アリサ
百瀬アリサ
これ





























































































そう言ってアリサは小さなトートバックを

オロチに渡した。



















































































































オロチ
オロチ
これは…?






































































































中を開けると、お弁当箱が入っていた。
















































































































百瀬アリサ
百瀬アリサ
保冷剤も入れてるから
大丈夫だとは思うけど…
オロチ
オロチ
…空の弁当箱…?
百瀬アリサ
百瀬アリサ
空っぽなわけないでしょ!
ちゃんと中身も入ってます!
何でそんな陰湿な嫌がらせ
しなきゃいけないの?
オロチ
オロチ
す、すまん。そうだな。
お前がそんな嫌がらせを
するはずがない
百瀬アリサ
百瀬アリサ
オロチ、前に言ってたでしょ?
私の作ったサバの味噌煮を
食べてみたいって…
オロチ
オロチ
あぁ、言ったな
百瀬アリサ
百瀬アリサ
オロチとは一緒にご飯を
食べる機会がないから…。
これでも頑張った方なんだよ?
オロチ
オロチ
…!  アリサ…




















































































オロチは蓋を開け、アリサの作った

サバの味噌煮入りのお弁当を見つめている。


































































百瀬アリサ
百瀬アリサ
い、要らないんだったら
捨てるなり他の妖怪に
あげるなり好きにして
オロチ
オロチ
そんな事するわけがない。
これはアリサが俺の為に
作ってくれたのだろう?
百瀬アリサ
百瀬アリサ
う、うん…
オロチ
オロチ
ならば有り難く頂く。
誰にも渡したりしない
百瀬アリサ
百瀬アリサ
そっか、良かった…
オロチ
オロチ
とても美味そうだ。
おかげで修行もいつも以上に
頑張れる気がする。
ありがとうアリサ
百瀬アリサ
百瀬アリサ
…オロチ…///











































































蓋を閉め、再びトートバッグに戻すオロチ。




























































































オロチ
オロチ
…アリサ
百瀬アリサ
百瀬アリサ
…? どうしたの…?




















































































オロチはアリサの目を真っ直ぐと見つめ…。


















































































_____________________

























































































































オロチ
オロチ
初デートは映画館がいいと
確かに言った。だが、いざ
デートに誘いたい相手が
現れると不思議と戸惑うな。
そもそも私はアリサの事を
よくわかっていない。
当然、好きなジャンルもな
ジバニャン
ジバニャン
確かにそうニャンね?
ケータ
ケータ
俺がオロチの立場なら迷わずに
スペースウォーズを選ぶよ!
未空イナホ
未空イナホ
いやいや! そこはやっぱり
セラピアーズでしょう!
USAピョン
USAピョン
それはテメーらの好みダニ!
ジバニャン
ジバニャン
さっきのイナホの話だと、
間違ってもホラー映画とか
内容が複雑そうなやつとかは
選んじゃダメみたいニャンね?
ウィスパー
ウィスパー
誰かが死んでしまうやつも
ただでさえ自殺願望のある
アリサちゃんにはやはり
見せない方がいいでうぃす
ケータ
ケータ
そうだね。アリサさん、
少しずつだけど生きる事に
前向きになりつつあるし、
もしまた死にたいなんて
言い出したら…
オロチ
オロチ
…それだけは阻止せねば
未空イナホ
未空イナホ
この際、直接聞いてみては?
アリサさんに!
USAピョン
USAピョン
単刀直入過ぎないダニ?
オロチ
オロチ



































































































_____________________
































































































百瀬アリサ
百瀬アリサ
…? オロチ…?
オロチ
オロチ
…! 
百瀬アリサ
百瀬アリサ
大丈夫? ボーッとするなんて
オロチらしくないね?
何かあったの…?
オロチ
オロチ
すまん、少し考え事をしていた
百瀬アリサ
百瀬アリサ
そっか。私が昔聞いた事がある
有名な妖怪のアニメでは、
【病気にならない】だとか
【死なない】とか歌詞に
出てきた事あるんだけど、
実際はどうなの?
オロチ
オロチ
妖怪だって病気になるぞ。
確かに寿命は人間よりも
ずっと長いが、それでも
いつかは終わりが来る
百瀬アリサ
百瀬アリサ
そうだったの…。
《そっか。あの絵本に出てきた
閻魔大王は…》
オロチ
オロチ
あぁ
百瀬アリサ
百瀬アリサ
《じゃあ、私よりも確実に
長く生きられるにしても、
オロチ達もいつかは…》
オロチ
オロチ
大丈夫かアリサ?
百瀬アリサ
百瀬アリサ
私は大丈夫。ってか、私は
オロチの心配してるんだけど?
もしかして、体調悪いのかなって
オロチ
オロチ
大丈夫だ
百瀬アリサ
百瀬アリサ
ならいいけど…
オロチ
オロチ
百瀬アリサ
百瀬アリサ
それで? 私に何か
言いたい事あったんだよね?
オロチ
オロチ
…いや、大した事ではないから
今はいい
百瀬アリサ
百瀬アリサ
そっか…







































































































オロチが言いたかった事が気になりつつも、

アリサはそれ以上追求しなかった。











































































百瀬アリサ
百瀬アリサ
…コマさん達がいつ
起きるかわかんないから
そろそろ帰ろうかな
オロチ
オロチ
ならばまた送っていこう
百瀬アリサ
百瀬アリサ
毎回送ってくれるけど、
別に無理しなくても
いいんだよ?
オロチ
オロチ
無理等していない。
俺がそうしたくて
やっているだけだ
百瀬アリサ
百瀬アリサ
そ、そう…? じゃあ、
ありがとう…で、いいのかな?
オロチ
オロチ
あぁ










































































































オロチはいつものように、コマ兄弟と

同居している家までアリサを送るのだった。













































































































































オロチ
オロチ
《女子を映画デートに
誘うのがこんなにも
難しい事だとは思わなかった。
…アリサと出会うまでは。
そもそもアリサは俺と
一緒に行きたいのだろうか?》




















































































そんな中、オロチはアリサを映画デートに

誘う勇気がなかなか出せずにいた。

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