世話焼きな智兄、
もう25の癖に全くしっかりしてない亮兄、
数学オタクの大志。
この3人と一緒に暮らしてる。
お兄ちゃんは仕事がハードな上に、私達の世話もあるから、凄く大変。
父は旅人で、年中どっかに行ってるし、
母は幼い頃亡くなったから、
もう10年くらい前からずっと、お兄ちゃんが家事をやってくれている。
亮兄ちゃんは危なっかしいから家事なんて任せられないし、
かといって大志は数学しか出来ないから料理なんて以ての外。出来るわけがない。
お姉ちゃんはたまにしか帰ってこないから、
ずっとお兄ちゃんに任せっきりだった。
でも私ももう高校2年生だし、
料理も洗濯も掃除も好き。
だから最近は、お兄ちゃんを手伝ったりしてる。
ピンポーン
ピンポーン
インターホンを見てみると…
玄関のドアを開ける。
すると、ぱぁっという光とともに優子さんが入ってくる。
…
不機嫌になったふりをして、扉を勢いよく閉めた。
化粧が濃い理由なんて、1つしかない。
細かいことでも気になって、
さっきまで軽かった足取りが、突然重くなる。
そんな時。
横浜流星さん。
21歳で、T大の法学部に通ってるバイトの先輩。
勉強もできて、顔もかっこよくて、テニスが上手。去年のインカレでは準優勝!(ってバイトの別の先輩が言ってた)
とにかく凄い人。
私がこんなに焦る理由。それは…
流星さんのことが、好きだから。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。