第9話

Love 9
1,435
2020/08/22 23:56
侑 side
次の日、目が覚めると信介が俺にぎゅっと抱きついて気持ち良さそうに眠っとった。
幸いにも今日は部活がOFFだから、もう少しだけ寝かせてあげよう。
そう思って俺が布団を被り直したのも束の間、信介が目を覚ましてしまった。
北 信介
北 信介
侑…起きとったん…
宮 侑
宮 侑
ちゃうで、今起きたとこや
北 信介
北 信介
今日OFFやねんから、もう少しぎゅってしとってええ?
宮 侑
宮 侑
ええで、好きなだけぎゅっとしとき
俺がそう言うと、嬉しそうに頬を緩めより一層強く抱きついてきた。
これじゃあ、どっちが先輩かわからんやん。
北 信介
北 信介
侑、治と仲良くせなあかんよ?
宮 侑
宮 侑
なんやねん、急に
北 信介
北 信介
2人が喧嘩しとると、悲しくなるねん
宮 侑
宮 侑
サムとは、喧嘩するほど仲がええってやつや
北 信介
北 信介
そうかもしれんけど、ほどほどにな
宮 侑
宮 侑
おん、分かっとるよ
北 信介
北 信介
ならええわ
宮 侑
宮 侑
信介は、もし付き合っとんのが治だったらどうしてた?
北 信介
北 信介
それはないな
あいつは、俺なんかに興味示さん
宮 侑
宮 侑
そんなこと、ないんやけどな…
俺がそう呟いた時には信介は夢の中に入っており、誰にも届くことはなかった。
サムが信介に興味を持たんなんてこと、有り得ん。
だって、俺と信介が付き合うことになった、って報告したとき、サムのやつ泣いとった。
失恋したんやなぁ、って呟きながら。
宮 侑
宮 侑
恋って…切ないんやな…
もし、信介と付き合ってるのがサムで俺はただの先輩後輩だったら、きっと毎日泣いてまう。
そう考えると、サムは強いんやな。

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