第18話

Love 18
757
2020/11/29 05:10
治 side
自主練を終えて家に帰ると、玄関に北さんの靴があってビックリした。
ツムのお見舞いにでも来てたんかな、って思って自分の部屋に行くと、隣の部屋から北さんの喘ぎ声が聞こえてくる。
つうか、隣の部屋から喘ぎ声聞こえてきたら興奮するやろ。
なんやあいつ、具合悪いのに北さんのこと抱いとるん?
少しくらい片割れのこと考えろや、くそツム。
そんなことを考えとったら、部屋のドアがノックされた。
宮 治
宮 治
はい
北 信介
北 信介
治、入るで
宮 治
宮 治
どうぞ
北 信介
北 信介
侑寝たから、あと頼むわ
宮 治
宮 治
ええですけど、次からは声気をつけてくださいね
北 信介
北 信介
…聞こえとったん?
宮 治
宮 治
丸聞こえでしたよ
北 信介
北 信介
恥ずいわ…
すまんな、他所の家で…
宮 治
宮 治
ヤるのはええですけど、俺も興奮するんでって意味です
北 信介
北 信介
すまん…
宮 治
宮 治
別にええです
ツムのこと、任してください
北 信介
北 信介
おん、よろしゅうな
ツムの面倒見るの、正直ダルいけど俺の"元"好きな人の言うことは聞かないとな。
ほんまは俺だって北さんと付き合いたかったんに、ツムに負けた。
そん時だけは、俺も泣いてしまったことを今も覚えとる。
宮 侑
宮 侑
サム…さみぃ…
宮 治
宮 治
ちょっとダジャレっぽいからそれ辞めろや
宮 侑
宮 侑
布団…毛布寄越せや…
宮 治
宮 治
なんで俺の部屋から取ってくん
宮 侑
宮 侑
しゃーないやろ…
起きたら信介おらんかったんやから…
そう言いながら、ツムはズルズルと俺の布団を引きずって部屋に戻って行った。
北さんのこと"信介"って読んどる時点で、俺にはもう勝ち目ないやんか。
失恋して以来、久しぶりに俺はまた涙を流した。

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