第20話

Love 20
607
2021/01/23 13:35
侑 side
数日後、完全復活した俺は体育館に向かっていた。
俺が休んどる間にあの女のこと、信介が何とかしてくれたらしくまた助けられた。
宮 侑
宮 侑
完全復活しました!
宮 治
宮 治
こいつおるとほんまうるさいわ
宮 侑
宮 侑
なんやねん、クソサム!
北 信介
北 信介
お前ら、喧嘩すんなや
部室で着替えるだけで喧嘩しとる俺らに、信介が低い声で一喝。
それだけやのに、俺もサムも震え上がってすぐ喧嘩を辞めた。
その日もしっかり練習をし、俺と信介はいつものように帰路に着く。
北 信介
北 信介
なぁ、侑
宮 侑
宮 侑
どないしたん?
北 信介
北 信介
俺のこといらんようになったら、すぐ切ってええよ
宮 侑
宮 侑
何馬鹿なこと言うてるん?
北 信介
北 信介
侑、彼女出来たんやないの?
宮 侑
宮 侑
んなわけあるか
俺には信介しかおらんのに
北 信介
北 信介
なら、あの話は嘘やったんや…
宮 侑
宮 侑
これからも信介しかいらん
それだけ忘れんといてや
北 信介
北 信介
ん、ありがとさん
そう言って笑う信介は、どこか寂しくて切なそうでそのまま消えてしまいそうだった。
その思いをかき消すかのように抱きしめると、苦しいと言って笑った。
なんでやろ、今こんなに近くにおるのに切なくて辛い。
それに、この光景はきっと前にもどこかで見たことがある。
北 信介
北 信介
侑、どないしたん?
宮 侑
宮 侑
なんでもないで?
少し疲れとったみたいや
北 信介
北 信介
早く帰って、しっかり休むんやで
宮 侑
宮 侑
おん、ありがとさん!
北 信介
北 信介
ほな、"また明日"な
宮 侑
宮 侑
"また明日"!
そう言って手を振って信介を見送った俺には、ただ深い悲しみだけが残った。

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