第30話

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1,962
2021/04/17 04:17
錆兎
錆兎
37.6……学校休め
あなた

………うん……休む…

錆兎
錆兎
ったく……昨日びしょ濡れで帰ってくるから…………
錆兎
錆兎
しかも……今日に限って俺も静葉さんもいない…………昼用のゼリーと薬置いとくから、適当なタイミングで食べろよ?
あなた

…はいはい

錆兎
錆兎
んじゃ、行ってくるぞ
あなた

いってらっしゃーい…

襖が閉まり、足音が遠ざかっていく




何も音がしなくて、返って違和感…




はぁ…とため息を着く




寝てるはずなのに、床が回転してるみたいに感じる




布団が暑いけど、取ったら取ったで寒い




寝返りを打ち、スマホをつける




……よく考えたらやることない




特にゲームも入れてないし




音楽も今はそんな気分じゃない




スマホを裏返して、畳に置いた




最終的に、寝ることにした




目を閉じると、割とすんなり眠りに落ちた
























ワー!!ガキン!!キン!ズシャッ!




嫌な音がする




真ん中で、気持ち悪い化け物が暴れてる




口が何個もついてて、挙句の果てに触手みたいなの振り回してる




つり上がった赤い瞳も怖い




次々と、黒い服の人達が殺られていく




その化け物と、パチッと目が合って…




触手みたいなのがこちらに向けられた



















あなた

(………夢か)

起きた瞬間、布団の感触に安堵した




というか………何あの化け物は




…………まあ、熱出てる時は変な夢見るって聞くし




時間は………午後1時半




お腹は空かないけど、食べないと
あなた

(あ、ゼリーぶどう味だ…)

ゼリーの蓋を開けて、ちゅーっと吸う




小さい頃から好んで食べていたぶどう味のゼリー




心做しか懐かしい
あなた

はぁ……水がない…………

あなた

(台所取りに行かないと……)

──────
あなた

(薬飲む水無いと意味無いのに……
ほんとたまーに抜けてるわ…………)

〜♬.*゚
あなた

(ん?スマホ鳴ってる……)

あなた

(実弥………?)

実弥《今日休んでるってマジか?》

『うん、マジ』あなた

実弥《大丈夫か?》


『だいじょばないから休んでる』あなた


実弥《そうか。ちゃんと寝てろよ?》

『はいはい』あなた
あなた

(………そっか…今昼休みか)

あなた

(熱…計んないと……)

──────
あなた

38.1……上がってるし…

あなた

(はぁ………大人しくしてよ……)

また、同じ夢を見て、同じところで目が覚める




それを何回か繰り返した




……寝るのが、怖くなった




それで結局、眠れなかった




静かすぎるのが怖くなって、咄嗟にスマホを手に取る




通話ボタンを押し、耳に当てる
不死川実弥
不死川実弥
『どうした?』
あなた

さね…み……

不死川実弥
不死川実弥
『は?お前泣いてんのか?』
あなた

泣いてっ…泣いてない……

不死川実弥
不死川実弥
『そういう事にしといてやる。
どうした?』
あなた

……怖い

不死川実弥
不死川実弥
『怖い?』
あなた

さっきから…変な夢……見るの……

不死川実弥
不死川実弥
『どんな?』
あなた

ば…化け物に……殺される夢…

あなた

沢山…人が……死ぬの…

不死川実弥
不死川実弥
『…それは…怖かったな』
不死川実弥
不死川実弥
『次自習だし、通話繋いどくか?』
あなた

ん……

不死川実弥
不死川実弥
『他のやつもほとんど通話してるし、
たまにはいいだろ』
なに不死川、彼女いたのか!?
不死川実弥
不死川実弥
あ?ちげえ!
嘘言うなって!どんな子!?
不死川実弥
不死川実弥
ちげえっつってんだろ!!
あなた

(わぁ…キレてる……)

『ヘイ不死川彼女!聞こえる?』
不死川実弥
不死川実弥
おまっ…!返せ!!
あなた

あの……ほんとに…彼女じゃないです

『えっ、マジ!?
あのくそ真面目不死川が授業中に通話する女子で彼女じゃない!?』
不死川実弥
不死川実弥
さっさと返しやがれ!!
それから約1時間、実弥と愉快な仲間たち(?)と通話した




悪い夢を見ずに済みそうだ

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