第26話

事故
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2018/03/24 11:15
それから何時間か経ち、江藤先輩は落ち着いた。

「落ち着きましたか?」

「ああ、ごめんな。急に」

「いいえ…」

こんなメール…。
一体誰が。

「先輩…聞いてもいいですか?」

私は遠慮がちに聞いてみた。

「うん、いいよ」

先輩はうつむきながらも言ってくれた。

「先輩と竜一が恨まれる理由って何か、あるんですか?」

「…理由、か。」

「…先輩?」

もしかして、ほんとに…
ほんとに、恨まれる理由なんてあるの?

先輩が口を開こうとした時私は怖くなり、ギュッと目をつぶった。

そしたら、先輩の携帯電話が鳴った。

「…巧だ」

先輩は微かに言った。

「え?友達?」

「ああ。ちょっとまってて。」

先輩は急いで外に出て電話をしていた。

そして、急いでこちらに戻ってきて私に言った。

「巧が事故に遭ったみたいなんだ。
俺、病院に行ってくる。」

と急いで駆け出していった。

「…巧さんが事故?」

私はハッとした。

(杏美はこの事知ってるの…?)

私は急いで杏美に連絡してみた。

そして、杏美は私の電話にすぐ出た。

「杏美!巧さんが…!」

言いかけた時。

「はぁはぁ…知ってる…!いま、病院に向かってる!」

「杏美!知ってたんだ!」

「うん!だから、また連絡する!」

「わかった。あ、江藤先輩もそっちに行ったから。」

「江藤圭も?…分かった!」


「大丈夫かな…」

それから、何時間か経った。


杏美から連絡があり、巧さんは頭を強く打ったらしく今は眠っているらしい。
命に別状なし。




- 卒業まで残り7日 -

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