そして、今日。
バラバラになっていたみんなを呼ぶことにした。
でも、沈黙が続いた。
そして、私は手紙のことを話す。
「みんなに聞いてほしいことがあるの。
実はね、あの手紙竜一が書いたものじゃなかったの。」
「…えぁ!?」
と小夜ちゃん。
「なっ!どうゆう事だよ!?」
と江藤先輩。
「それで、この手紙を書いた人が犯人何じゃないかって思うの。」
「…また犯人探しですか。」
「…え?」
「僕はもう、こんなのに付き合えきれない。」
そう言ったのは中島君だった。
「…な、中島君」
「こんな事してもどうせ、僕らみたいな一般人に分かるはずがない。こんなの、時間の無駄だよ。僕は帰る。」
そう言って、席を外してしまった。
(中島君…最近、様子が変…)
「中島君…、私行きます!」
と小夜ちゃんは中島君の後を追いかけていった。
「それで…手紙…」
杏美が言った。
「杏美?」
「その手紙の字ってさ、随分丸字だな。」
「…確かに。」
と江藤先輩。
「言われてみれば字が結構綺麗だよな。
女子みてー。」
…女子、か。
犯人なんてそう見つからないのは知ってる。
でも、見つけたいんだ。
見つけて白状してもらいたい。
大気君を…竜一を殺そうとしたのだから。
身代わりに大気君まで…
私は耐えられなかった。
- 卒業まで残り9日 -
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。