第28話

検討
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2018/03/26 03:59
今日は卒業式の準備だった。

一年と二年は、学校の体育館に飾りや椅子並べ。
三年生は早く下校した。

準備中。
「中島君…」

「…伊野?」

「あ、あのさ、今日の放課後空いてる?」

「…ああ」

「カフェに来てくれないかな?」

「……」

中島君はいっとき黙って静かにうなずいた。

(よ、良かった…。)

小夜さ心からホッとしていた。


カフェでは。
「竜一…食べ過ぎ。」

「これ、うまいな~」

竜一はバクバクと大口を開いてカフェの人気スイーツ、ホットケーキを頬張っていた。

「…全く。」

「ほーいやあ~、ひょうわふぃんなあふまるんふぁような~」

「ちゃんと食べてから話してよ。分からないじゃない…」

竜一はごっくんと飲み込んで話した。

「今日は皆集まるんだろ?」

「…あ、うん。今日は卒業式の準備してるから小夜ちゃん達は少し遅いみたい。」

「そっか。江藤先輩は?」

「江藤先輩は、巧さんっていう友達のお見舞いで無理だから、連絡だけするって。」

「そっか。じゃあ、4人だな。」

「うん。」

杏美は、部活で来れないみたい。

それから、何分か経って小夜ちゃんと中島君が来た。

「あ!小夜ちゃん!中島君!」

「先輩ー!」

小夜ちゃんは元気だけど中島君は…

(無だな。)

「そっちに座って。」

「はい。」

「それで、どーなりましたか?」

「うん、今ねあんまり分かってることがないの。でも、江藤先輩から聞いたことがあって。」

「…え?江藤先輩から?」

「うん。
実はね、巧さんが事故に遭ったあの日にメールがまた届いたみたいなの。

その中身は

『これがお前の許されない罪。

親友が事故に遭ってどんな気持ちだ?』

って、来たらしいの。」

「…怖。」

と竜一。

「な、何それ…」

と小夜ちゃん。

「だから、ある事を考えたの。」

「…あること?」

「うん。」

「でも、今日は言わないわ。
また、今度にする。今は江藤先輩も杏美もいないわけだしね。」

「そうですか!ということは、だいたいわかった感じ?ですね!」

「ええ。だから、また今度ね。

ていうか、ごめんね。こんな短い話のために呼び出しちゃって。」

「いいえ!少しでも、話を聞いて見つけたいですもん!」

「そうね。じゃあ」

「はい、さよーなら!」

「うん」


そして、私は竜一と帰った。
その帰りだった。

「そーいや、犯人分かったの?」

「…わかった訳では無いんだけどだいたいの検討はついてる。」

「え!まぢで?誰なの?」

「…あの中にいる。」

「…あの中?」

「私、竜一、中島君、小夜ちゃん、杏美、巧さん、江藤先輩の中にいるわ。」

「…は。」

「…じゃあ、ここまででいいわ。また明日ね!」

「え、ちょ…ッ」

(俺のこと恨んでるやつがあの中に…?)

竜一は、真緒の言葉に少し動揺していた。


- 卒業まで残り6日 -



お知らせ。
いよいよ、クライマックス!
犯人は、一体誰なんでしょうか…?

竜一を恨んでる人とは?
江藤先輩を恨んでる人とは?

残り5日間は、長めでいきたいと思います!

よろしくお願いします!

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