私達が見た先輩の写真は
「うちの高校の近くのコンビニ…」
杏美が驚いたのも無理はない。
その写真にはコンビニだけでなく何枚かの写真があり、それを順番に見ると
「先輩…うちの高校の近くのコンビニで万引きしたんですか?」
そう。中島君の言う通り。
その写真は江藤先輩がまだ高校の時の写真。
そして、店内の品をスクールバッグに入れていた。
その写真があったんだ。
「そ、そんな…どうしてこんなこと…」
「……話は終わっただろう。俺は、帰る。」
そう言って杏美から携帯を奪い取り急ぎながらそのカフェと私達を後にした。
「その写真を脅しとして利用して…」
中島君が言った。
「そうだね。でも、あいつもなんでまた万引きなんてしてんのよ!?おかしいでしょう…」
杏美が頭をぐしゃぐしゃにして言った。
(…先輩どうして、万引きなんて。)
「分からない…どうして…」
「…ま、まあさとりあえず江藤圭とは話せたし!ね?も」
杏美が気を使ってくれた。
「そうですよ。で、でも、その江藤先輩にメールを送った人は誰でしょうか…」
「そ、それもそうだ…今の話でよればそのメールを送った人が犯人ね。」
「うん…」
「でも、あのメールだけじゃ分かるはずないよ!もっと、調べないと!」
杏美が言った。
「はい!俺も部活で色々聞いてみます!」
「うん!少しずつ少しずつでもいいから卒業までに必ず犯人を見つけよう!ね、真緒」
「杏美…中島君…ありがとう…」
ああ、こんないい親友に後輩に恵まれるなんて…竜一…絶対に見つけるからね…絶対に…!
そして、私達はカフェを出て帰った。
明日からまた聞き込みをすることになった。
きっと、また何か分かるよね…
私のその予想は当たっていた…
- 卒業まで残り24日 -
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。