今日は私・杏美と二人で竜一の弟。
南雲 大気君の所へ行った。
竜一の家に来たのは何日ぶりだろう…
チャイムを鳴らすと、おばさんが出てきた。
「あら、真緒ちゃん。突然どうしたの?」
おばさんが私が来ると思ってなかったみたいで驚いていた。
「はい、実は弟の大気君と話があって…」
「あら、大気と?大気なら、自分の部屋にいるわ。どうぞ。」
「ありがとうございます。」
「お、お邪魔します…」
杏美は遠慮がちそうに言った。
「あ、ここに大気って書いてる!ここじゃない?」
玄関からすぐの階段を上ると、ふたつの部屋があり手前は『竜一』奥は『大気』と、書いてあった。
「そうね。ここだわ」
コンコン
私がドアを叩いても、返事がなかった。
「あれ?おかしいな…」
すると、
ガチャっ
竜一の部屋から突然ドアの開く音がそこを見ると…
「りゅ、竜一…?」
「…え?」
杏美が私の言葉に驚いたみたい。
だって、竜一が…と思ったら
「ま、真緒ちゃん?」
「あ、た大気君…」
「兄と間違えました?」
「う、うん…ごめんね!」
「いいえ。慣れてますから。」
竜一とそっくりなのは当たり前…。
だって、双子なんだから。
「あ、俺に話…ですよね?どうぞ。」
私と杏美は大気君の部屋へと入った。
「お話って?」
大気君が聞いた。
私はつばを飲み込んで
「大気君って、竜一の事どう思ってる?」
「…え?」
竜一という言葉を聞いて動揺するかのように
顔が怖ばっていた。
(どうしてそんな顔をするの…?)
- 卒業まで残り21日 -
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。