書ききったなあ、と思いつつも長年更新し続けてきたことが当たり前のシリーズだったので完結したことに実感が湧かない所があります。思えば2年以上連載していたんですね…

この作品で書こうとしていたことは最後までやりきったかと！

100話くらいになっちゃいそうかなとプロット制作時に思うことともありましたが、削って合計95話になりました。

最終章まで書いても、やはりみんなそれぞれ愛おしいです。悲しい結末を迎えてしまったキャラや思いを遂げられなかったキャラもいますが、彼らなりに精一杯生きたと思います。

最終章で立ち塞がった明梨や陽翔は、夕莉や上嶋と対照的にしつつも、共通している部分があるように描きました。

特に夕莉と明梨は、愛する者への思いの強さは共通していましたがその形は対照的で、夕莉は愛する者のためなら自分を犠牲にすることを厭わず、明梨は愛のためならどんなものを犠牲にしても構わないといった違いがありました。

名前も、夕莉は夕暮れで明梨は朝焼けをイメージしています。

明梨は明るい未来を迎えられないキャラクターなので、逆に名前だけは希望のある朝を想起させるものにした経緯があります。彼女も、歪まなければ幸せな未来を掴める可能性があったかもしれませんね……

最終章で印象に残っているのは、上嶋が夕莉にヴェールのように白いハンカチをかけるシーンでしょうか。結婚式のような幻想的な雰囲気から一気に上嶋が夕莉を苦しめてしまう落差にちょっと胸を痛めながら書きました。

わざわざ彼が夕莉の顔を覆ったのは、苦しむ夕莉を見たくなかったからですが、仇かもしれなくても結局は愛した人を手にかけられないのが愛に実直な上嶋らしい部分だなと思います。

三章プロット制作時点ではまだちょっと悩んでいました。特にラストは二人がどうやって食人鬼と人との障害を乗り越えるか？　という所で作品のテーマが決まってしまうので、いくつかパターンを考えていました。

上嶋くんが夕莉と同じ食人鬼になるendや夕莉が亡くなってしまうendなども候補としてありましたが、今まで書いてきたテーマとズレてしまうのですぐに没になりました。

endのアイディア自体は沢山出していて、中には上嶋と三好に夕莉が保護されながら暮らすちょっとハーレム？っぽい案もあったり…

ずっとダークファンタジー的な恋愛を書き続けてきたので別の路線もありかなと思ったりします。ファンタジーが好きなので、またそのようなものを書く可能性もありますが…
少しファンタジー要素がある切ない系の恋愛ものも書いてみたいですね！

最終的に面喰いシリーズは2年ほどの長期連載となりました！
ここまで読んで下さった読者の皆さん、本当にありがとうございました！
ここまで長く連載を続けられたのは、いつも面喰いを読んで応援して下さった読者の皆さんのおかげです！
長い間、夕莉たちの物語を一緒に見守ってくれて、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。

それでは、またいつか会う日まで！
最後まで本当にありがとうございました！