あなたside
多分あれから1時間は経っただろう。
そう思い時計を見ると、10分しか時計の針は進んでいなかった。
時間が経つのが遅い。
何もしていないからか?
違う。
考えたいのに何も考えられないから。
「父親」と言っても関係性は主人と奴隷のような関係だった。母親なんていないも同然だった。
家族らしい思い出なんてなかった。
家族なんて私には分からないから
家族らしいなんてものも分からないけど。
血の繋がりとか、誰のお腹から生まれたとか、そんなのは結局つなぎ止めておくためだけの言葉だと思う。
自分が相手を家族として思えることが出来るのか。
それがまず第1段階目じゃないのか。
私が何を疑問に思おうが答えは分からない。
私には答えを教えてくれる人がいない。
あの人が 居たら 知れたのかな
そんなことは分かっていた
分かっていたけど
分かりたくなんか無かった
寝ることしか出来ない
寝たら勝手に時間が進むから
寝ることは凄く心に良い。
寝て忘れてを繰り返すことは逃げること
逃げることは悪いこと
だけど
逃げたい時に逃げることが出来るのは
まだ
安定している間だけだから
だから早く呼びに来て欲しい。
蘭…さん…。
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お久しぶりです風里です
投稿頻度とても遅くて申し訳ありません
最近時間が取れず全く手につかない状況にあります
全てにおいて投稿を優先することは正直難しく、やっと手が開きすることがない、となった時書き進めていくようにしています
このままの頻度ですがゆっくり読んでいただけると嬉しいです
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!