蘭side
本来なら蹴った瞬間に三途をぶっ飛ばしてえくらいに腹が立った。
でも俺がどうしても確認したかったこと。
それは
あなたがちゃんと俺らに助けを求められるか。
多分黒川イザナという存在があった時は、ピンチに至っても助けを呼ぶまでもなかったはずだ。
でも今は俺らに迷惑をかけられないと思っている。なら助けてほしい=迷惑をかけると思っているだろう。
そんな中俺らに助けを求められるか?
無論、あなたには無理だと思った。
俺は三途を引き剥がしてあなたの前に腰を下ろした。
俺がいくら待ってもあなたが口を開くことはなかった。なぜなのか?なんて思わなかった。
さっきの『助けて』は無意識の言葉だったから。
面と向かって助けてって言うことはあなたにとって難しすぎることなのも分かってる。
…俺が最後まで言う前にあなたは涙をボロボロ流して涙でぐしゃぐしゃになった顔で俺の言葉を繰り返した。
全て人に助けを求めることが正解ではない。
でも
助けを求めずに抱え込むことは不正解。
頭にゴリッと金属のようなものが当たる。
三途のことだ。この引き金を引くことだって容易。
俺の行動はマイキーの命令に反するということ。
そりゃあクソ狂信者のコイツの逆鱗に触れるわけだ。
俺は三途の言葉を遮るように口を開いた。
コイツにできる訳がねえ。
コイツにはマイキーが全てで。
マイキー以外なんざどうでもいいと言うようなやつが
嫌いなヤツをしっかりと扱うわけがねえ。
俺は必死だった。
俺の頭に銃を突きつけてる三途は話に油断していたのか体の状態がガラガラだった。
その隙に俺は三途の胸ぐらを掴み、床に押し倒した。
絶対に三途に任してはいけない。
根拠はない。でも俺の感じたこの感覚。
さっきのあなたの反応。
俺の嫌な予感がもし当たっているとしたら。
三途を掴む俺の手と口は震えていた。
長いのお疲れ様でした!!
読む感想とか貰えると嬉しいです…!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。