第30話

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2021/02/07 12:00





1人の部屋になって10分過ぎ








…冷えピタがすぐに緩くなっていた。







新しいの貼ろ。








俺は部屋の扉を開けると








リビングから光が少し漏れてて







人の家という事もあり









思わず、そーっと様子を伺いながら









リビングに入ろうとした。




風見七虹香
風見七虹香
…っ、



女の子が声を押し殺してるような







声が聞こえて息をひそめた。






ひょっとして、あの例の彼氏と喧嘩したとか…?



俺は立ち尽くしていたせいか







クラっとめまいがして







ガタッと音がした。





そのせいで、女の子が俺の方を向いた。






風見七虹香
風見七虹香
す、すみません。
達也
達也
あ、いや…こちらこそごめん。
あの…
風見七虹香
風見七虹香
はい
達也
達也
新しい冷えピタってある?
風見七虹香
風見七虹香
あ、分かりました!




そう言うと、冷蔵庫を開けて







新しい冷えピタを出してくれた。





俺は、お礼を言って






冷えピタを受け取ろとすると







風見七虹香
風見七虹香
あ、わたし貼ります
前髪上げててもらっていいですか?


俺は前髪を上げて





おでこに女の子が届くように かがんだ。




風見七虹香
風見七虹香
はい…OKです
達也
達也
あざす




さっきやっぱり泣いてたのか







… 目が潤んでる

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






達也
達也
あの
風見七虹香
風見七虹香
はい。
達也
達也
ここまでお世話になっておきながら
こんな事言うのはなんなんですけど
風見七虹香
風見七虹香
??
達也
達也
あんま男を自分の部屋に入れない方がいいよ
風見七虹香
風見七虹香
…へ?
達也
達也
…君に…もし彼氏がいるなら…余計にね?






…そういえば、うち







よくよく考えたら








彼氏以外の人を自分のベッドで寝かせて







ご飯作って、背中拭いて







…って…







もし、優くんが他の女の子にそんな事してたら…









って考えたら…いくら体調崩していても







嫌だ







この人の言う通り、うち







完全に軽率だった。
風見七虹香
風見七虹香
はい…すみません
達也
達也
あ、いやいや、
俺は全然いいんですよ。
お陰でだいぶ楽になりましたからねっ?w
そろそろ帰ります。
風見七虹香
風見七虹香
あ、わかりました!


2人で玄関へ向かっていると






達也
達也
あ、そうだ。
風見七虹香
風見七虹香
え?忘れ物ですか?
達也
達也
君の名前…聞いていい?
俺は、田口達也っていいます。
風見七虹香
風見七虹香
あ…わたしは
風見七虹香っていいます!
達也
達也
…なじかちゃん?
え、漢字どう書くん
風見七虹香
風見七虹香
漢数字の「七」に、虹の「虹」に
香りの「香」です。



これはよく聞かれる質問。



達也
達也
そうなん。
覚えとくわw



うちは靴を履こうとすると




達也
達也
あ、もうここで大丈夫やで
風見七虹香
風見七虹香
…ほんとに大丈夫ですか?
達也
達也
はい。
ほんとにいろいろありがとう
風見七虹香
風見七虹香
そんな…とんでもないです
達也
達也
…それでさ
風見七虹香
風見七虹香
はい!
達也
達也
…いや、なんでもない
風見七虹香
風見七虹香
そうですか。
では、お大事になさってくださいね
達也
達也
はい。それじゃ
風見七虹香
風見七虹香
はい




田口さんはそう言うと






帰っていった。




時間をみると







あ、もう22時か…







てかまだ今日、月曜日なんだっけ?





風見七虹香
風見七虹香
…はやく寝よ



明日優くんとちゃんと話そう。






それで、ちゃんと謝ろう。







うちはそう決めて、ベッドシーツを洗濯に出して







早足でお風呂へ向かった。

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