1人の部屋になって10分過ぎ
…冷えピタがすぐに緩くなっていた。
新しいの貼ろ。
俺は部屋の扉を開けると
リビングから光が少し漏れてて
人の家という事もあり
思わず、そーっと様子を伺いながら
リビングに入ろうとした。
女の子が声を押し殺してるような
声が聞こえて息をひそめた。
ひょっとして、あの例の彼氏と喧嘩したとか…?
俺は立ち尽くしていたせいか
クラっとめまいがして
ガタッと音がした。
そのせいで、女の子が俺の方を向いた。
そう言うと、冷蔵庫を開けて
新しい冷えピタを出してくれた。
俺は、お礼を言って
冷えピタを受け取ろとすると
俺は前髪を上げて
おでこに女の子が届くように かがんだ。
さっきやっぱり泣いてたのか
… 目が潤んでる
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…そういえば、うち
よくよく考えたら
彼氏以外の人を自分のベッドで寝かせて
ご飯作って、背中拭いて
…って…
もし、優くんが他の女の子にそんな事してたら…
って考えたら…いくら体調崩していても
嫌だ
この人の言う通り、うち
完全に軽率だった。
2人で玄関へ向かっていると
これはよく聞かれる質問。
うちは靴を履こうとすると
田口さんはそう言うと
帰っていった。
時間をみると
あ、もう22時か…
てかまだ今日、月曜日なんだっけ?
明日優くんとちゃんと話そう。
それで、ちゃんと謝ろう。
うちはそう決めて、ベッドシーツを洗濯に出して
早足でお風呂へ向かった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!