第240話

「 スーパー 」
1,563
2023/01/28 11:05

side:No









彼女を自分の方に引き寄せてから



男たちを上から蔑むように見下ろす。



その身長と冷たい目にビビった男たちは



小さく悪態をつきながら去っていった















月島「 … くだんない。って、…… 何?」




雛垣「 …… 」




月島「 僕の顔に何かついてます??」














男たちが完全に去ったのを確認した月島は



あなたにじっと見つめられていることに気がついて首を傾げる













雛垣「 んーん、… ありがとう 」




月島「 別に、… 頼まれただけなんで 」




雛垣「 頼まれたの?」




月島「 君の学校の主将と烏養監督に。1人で出歩くなって怒ってましたよ 」




雛垣「 げっ、、… 」












あなたが顔を青くするのを横目に



月島はスーパーの中へと入っていった。



彼はただ単に早く涼みたかっただけで、



それに続いてあなたも中へと入っていく



それから2人は特に何も喋ることなく



目的のスポドリの粉を調達した後、



あなたは隣にいた月島に話しかけた














雛垣「 んね月島くん 」




月島「 はい?」




雛垣「 今日の夜ご飯何食べたい?」




月島「 え 」














まさか月島はご飯のことを聞かれると思っておらず



少し考えてから “ ショートケーキ ” と答えると



それは無理だなぁ、と返される














月島「 … じゃあ、ハンバーグとか?」




雛垣「 お、ハンバーグか、いいね!
みんな好きだし、月島くんもすき??」




月島「 まあ、嫌いじゃないです 」




雛垣「 よし、じゃあ決まり!!」















そう言ってハンバーグに使う挽肉を大量にカゴの中へ入れていく



そんな様子を月島は少し引いた目で見ていた














月島「 え、買いすぎじゃない??」




雛垣「 何言ってんのー?高校生男子の食欲舐めちゃダメだよ、多分これでも足りないんだから!」














いつも通りの笑顔、いつも通りの声のトーン、



全ていつも通りのあなたなのに



月島の心は少しずつ罪悪感で染まっていく。



そう、いつも通りだからこそ



月島には思い当たる節があるのだ。














雛垣「 あ、荷物持つよ 」




月島「 いいですよ。僕が持ちます 」




雛垣「 あ、ありがとう 」













買い物を終え、スーパーを出て学校へと足をすすめる



荷物を持ってあなたの隣で車道側に立って歩く月島は



ふと大きな木のおかげで出来上がった木陰の下で立ち止まった。



あなたも不思議に思い月島より一歩進んだところで足を止めた














雛垣「 月島くん?どうかした??」




月島「 ………め、… ん、… 」




雛垣「 ん?調子悪い?」



























月島「 ……………………… ごめん、」
























彼は俯いたままそう呟いた。













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