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彼女を自分の方に引き寄せてから
男たちを上から蔑むように見下ろす。
その身長と冷たい目にビビった男たちは
小さく悪態をつきながら去っていった
月島「 … くだんない。って、…… 何?」
雛垣「 …… 」
月島「 僕の顔に何かついてます??」
男たちが完全に去ったのを確認した月島は
あなたにじっと見つめられていることに気がついて首を傾げる
雛垣「 んーん、… ありがとう 」
月島「 別に、… 頼まれただけなんで 」
雛垣「 頼まれたの?」
月島「 君の学校の主将と烏養監督に。1人で出歩くなって怒ってましたよ 」
雛垣「 げっ、、… 」
あなたが顔を青くするのを横目に
月島はスーパーの中へと入っていった。
彼はただ単に早く涼みたかっただけで、
それに続いてあなたも中へと入っていく
それから2人は特に何も喋ることなく
目的のスポドリの粉を調達した後、
あなたは隣にいた月島に話しかけた
雛垣「 んね月島くん 」
月島「 はい?」
雛垣「 今日の夜ご飯何食べたい?」
月島「 え 」
まさか月島はご飯のことを聞かれると思っておらず
少し考えてから “ ショートケーキ ” と答えると
それは無理だなぁ、と返される
月島「 … じゃあ、ハンバーグとか?」
雛垣「 お、ハンバーグか、いいね!
みんな好きだし、月島くんもすき??」
月島「 まあ、嫌いじゃないです 」
雛垣「 よし、じゃあ決まり!!」
そう言ってハンバーグに使う挽肉を大量にカゴの中へ入れていく
そんな様子を月島は少し引いた目で見ていた
月島「 え、買いすぎじゃない??」
雛垣「 何言ってんのー?高校生男子の食欲舐めちゃダメだよ、多分これでも足りないんだから!」
いつも通りの笑顔、いつも通りの声のトーン、
全ていつも通りのあなたなのに
月島の心は少しずつ罪悪感で染まっていく。
そう、いつも通りだからこそ
月島には思い当たる節があるのだ。
雛垣「 あ、荷物持つよ 」
月島「 いいですよ。僕が持ちます 」
雛垣「 あ、ありがとう 」
買い物を終え、スーパーを出て学校へと足をすすめる
荷物を持ってあなたの隣で車道側に立って歩く月島は
ふと大きな木のおかげで出来上がった木陰の下で立ち止まった。
あなたも不思議に思い月島より一歩進んだところで足を止めた
雛垣「 月島くん?どうかした??」
月島「 ………め、… ん、… 」
雛垣「 ん?調子悪い?」
、
月島「 ……………………… ごめん、」
彼は俯いたままそう呟いた。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。