第232話

「 誘拐 」
6,018
2023/01/04 14:57

side:YOU








その日の夜、練習が終わって後片付けをしていると



誰かに名前を呼ばれた



振り返るとグッと腕を引かれ、



体育館の外へと連れ出された。
















赤葦「 … 木兎さん。それ、やってること誘拐ですからね??」




木兎「 だってさー、あなた借りるよって言ったら絶対あの金髪銀髪がうるさいもんっ!!」




赤葦「 もん、じゃありません。謝ってください 」




木兎「 ゴメンナサイ。」














そう。私は梟谷の主将、木兎光太郎に誘拐され (



第3体育館へと連れて来られた



そこには副主将で同い年の赤葦くんと鉄朗、



そして水溜りに浸っているリエーフくんがいた














『 びっくりはしたけど大丈夫だよ、笑
それで、… どうして私?』




木兎「 単刀直入に言う、ブロックを跳んでほしい!!!!」




『 え、いや、無理デス。』




木兎「 ガーーーン 」




赤葦「 はあ 、
… だから言ったじゃないですか、無茶だと 」




木兎「 だって現役の時はめっちゃ跳んでたじゃんか!!!俺、あなたのブロックを打ち抜くことを目標に頑張ってきたんだぞ!!」




『 そんなこと言われても …… 。高校生の男子と女子じゃあネットの高さもパワーも違うし、、そんなの無茶ですよ 』




黒尾「 そうだぞ。暴力はんたーい 」




木兎「 暴力じゃないですよ!!!」
















そう言いながら口を尖らせて嘲る彼。



赤葦くんはめんどくさそうにため息を吐く














赤葦「 木兎さん、いい加減に ___ 」




『 一回くらいなら跳べるかと!』




木兎「 … マジか!??」




黒尾「 おいおい、大丈夫か?」




『 一回だけなら。ただ1人ではキツイので …… 』














あと1人追加してくれたら、と言いかけて



チラリと体育館の横を通り過ぎる高い人影が見えた















『 そこの彼と一緒ならっ!!』













と、咄嗟にその人影を指差す。



すると鉄朗と木兎さんは入り口まで走り



その人物に声をかける













黒尾「 あー、ちょっと、そこの … 烏野の … あ、メガネの … 」




月島「 あっ 」




黒尾「 ちょっとブロック飛んでくんない?」













腕を伸ばしてストレッチしながら



鉄朗がそう手招きしているのを見守る。



月島くんはジッと鉄朗と木兎さん、私を順番に見つめるが、













月島「 あー、僕もう上がるので失礼しまーす 」




木兎 / 黒尾「 何っ、」















あまりにあっさりと断られた。











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