side:YOU
月島「 ハッ 」
木兎「 うーん、やっぱメガネ君さぁ
読みはいいんだけどこう、弱々しいんだよな。ブロックが 」
『 ストレートもきっちり締めれてたし冷静で鋭いんだけどねぇ。腕とかポッキリ折れそうで怖い ( ) 』
月島「 …… 君に言われたくないんだけど。」
木兎「 あはは、確かに!もっとガッと止めないとガッと!」
月島「 僕まだ若くて発展途上なんですよ。筋力と身長もまだまだこれからなんで、!」
木兎「 ああ?」
黒尾「 悠長なこと言ってるとあのチビちゃんにいいとこ全部持ってかれんじゃねぇの?同じポジションだろ?」
鉄朗がまた煽るような事を言った瞬間、
月島くんの表情が変わった。
『 … 月島くん?』
月島「 それは仕方ないんじゃないですかねぇ?日向と僕じゃ元の才能が違いますからね 」
そう自嘲する彼。
その裏には何か彼にしかわからないことが隠されていそうでむやみに聞けなかった
『 つ、月島く _ 』
犬岡「 あっ!またスパイク練習ですか?俺ブロックやります?やります?」
夜久「 おいリエーフ!
転がってんじゃねぇレシーブ!」
灰羽「 げっ、夜久さん、!」
夜久「 げっ、って何だ!!」
月島「 じゃあ僕お役御免ぽいんで失礼します 」
黒尾「 なあおい!」
そう言って体育館を出ていく月島くんを
追いかけることはできなかった
代わりに鉄朗を睨む。
黒尾「 な、なんだよその目 … 」
『 … 別に。』
赤葦「 なーんか地雷踏んだんじゃないすか、黒尾さん 」
黒尾「 え?」
『 もうちょっとさ、物事考えて発言しなよ 』
黒尾「 ええ、」
木兎「 怒らっしたあ
大失敗じゃん、挑発上手の黒尾くん 」
黒尾「 … いや、だって思わないだろ 」
木兎「 何を?」
黒尾「 烏野のチビちゃんは、確かに得体が知れないし脅威だけど技術も経験もヒヨコだろ。それにあの身長だし。
それをあの身長も頭脳も持ち合わせているメガネ君がチビちゃんを対等どころかかなわない存在として見てるなんてさ、」
鉄朗の言葉に確かになぁ、と思いながら
でも月島くんのさっきの言葉はもっと違う、
なんだかバレーに対してブレーキがかかっているように聞こえた。
自分で自分の限界を決めてしまっているような
そしてどこかバレーに対して恐怖感があるような、
『 … 私、月島くんに話聞いてくる、!』
黒尾「 は?え、おいあなたっ!!」
私は体育館を出て月島くんを追いかけた
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。