第233話

「 ブロック 」
1,788
2023/01/07 14:45

side:YOU







その後、ゴネる月島くんを鉄朗が









「 ミドルブロッカーならもう少しブロックの練習した方がいいんじゃない?」








と悪い顔で煽りそれに火がついた月島くんは



ムッとした顔で体育館に入ってきた














木兎「 もう一本!!」









_ バコンッ










ボールを強打する音が体育館内に響く



月島くんは何度も何度もブロックを跳ぶが、



木兎さんが打ったボールはクロスのコースを通り



床に打ち付けられていた













木兎「 っしゃあ!!」




赤葦「 一枚ブロックに勝っただけっすよ 」




木兎「 うっせぇなっ!」




黒尾「 じゃあ、メガネくんとあなたちゃんの2枚でどうだ?」




『 … へ?』













突然ポンッと背中を押されコートに入れられる



トサカめ … 今の今まで木兎さんはブロックのこと忘れてたのに!!!



ジロリと鉄朗を睨んだけど



全く悪びれのない笑顔で返される














木兎「 あなた跳んでくれるのか!!!」




『 … はあ、約束だもんね。うん、一回だけだよ 』




月島「 え、」














肩をぐるぐる回しながら月島くんの隣に並ぶと



え、君が?大丈夫なの?そもそも跳べるの?



みたいな顔で見てくる。



彼とは烏野の練習を見ていた時もあまり話さなかった



日向くんや山口くんみたいに明るいわけじゃなかったしイマイチ掴みどころがわからなかったからだ



でもその顔はムカつく。



思わず眉をハの字に顰める













『 なあに、不安なの??』




月島「 いや … まあ、」




『 … 正直だね 』




黒尾「 今のメガネくんよりもあなたの方がよっぽど上手いと思うけど 」




月島「 … 」




『 ま、とりあえずやってみよう!』




木兎「 いくぜ 」














私はネットより少し後ろに構える



木兎さんがボールを高く上げ走り出した













『 ストレート、しっかり締めといてね 』














月島くんにそう一言言ってからネットに向かって走る



高校生男子のネットの高さは跳べる自信がなかったから助走をつけるくらい許してほしい



ネットギリギリでダンダンッと足を踏み込んで



母指球に全体重を乗せ、



前に進むスピードを今度は上に変えて



膝を曲げて上へ跳ぶ。













『 …!』














木兎さんの目線が左を向いたのを見逃さなかった



ネットからギリギリ出た指を木兎さんが狙っているコースを塞ぐようにスライドさせ



指先に力を入れる












『 えいっ 』




木兎「 えぇーーーー!!!??」




『 やったぁ! 』




木兎「 クッソ 」












ボールは私の指に弾かれ地面にバウンドした



木兎さんはガシャガシャと髪の毛かき乱す



赤葦くんは感嘆な声を上げ、



鉄朗は何故かドヤ顔をしていた













NEXT ⇒

プリ小説オーディオドラマ