第57話

第56話
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2022/04/19 14:33
ナヨン
ナヨン
もうたべられにゃいよ…
モモ
モモ
…も、ももも……
みんなの可愛らしい…だけども意味が分からない寝言を

鼓膜ギリギリに受けた私は、重たい目蓋を開いた


いつものようにダヒョンとモモはハグし合って眠り、ナヨンは

ジョンヨンの首筋を潰さんとばかりにプロレス技を決めている


ツウィは…いない
サナ
サナ
ん…何時…?
今現在家の中で唯一正常に動いている時計の針は、ちょうど

8時を指していた


見間違いかと思い何度も確認する


角度を変えたり、目を動かしたりもした


だけど、間違いなく時刻は8時
サナ
サナ
…嘘っ!?
やらかした、完全に寝坊した
サナ
サナ
皆ちょっと起きて!遅刻しちゃうよ!!
ジョンヨン
ジョンヨン
…うるさいなぁ、サナ姉ちゃん…
サナ
サナ
早く早くっ!
ナヨン
ナヨン
…何で…?だって今日から…
みんなの声は私の耳には全く入らず、長い廊下を跨ぐことの

ないこの家の単純な設計に初めて感謝しながらツウィを探す


…あれ?


台所にツウィがいない…


何で…まさかどこかで倒れてるんじゃ…!
ツウィ
ツウィ
ただいま~
今日何回目かの驚き


ツウィはパーカーの下に真っ青なツナギを来て、片手に

ヘルメットとタオルを持って帰ってきたのだ
サナ
サナ
な、何でツウィ、こんな朝からバイトなんて…
ツウィ
ツウィ
え?だって今日から夏休みでしょ?
サナ
サナ
…へ…?
ツウィは珍しく寝ぼけているのかと思ってカレンダーを見ると

『夏休み!』と可愛くデコレーションされていた


寝ぼけていたのは私だったみたい
ジョンヨン
ジョンヨン
もぉ…姉ちゃんこんなところで天然出さないでよ…
叩き起こされたジョンヨン達は、寝ぼけ半分不満半分と

いった感じ
サナ
サナ
嘘!みんなごめん…!
ダヒョン
ダヒョン
やった~!もう一回寝れる!!
私ドジすぎるでしょ…


ナヨンから全てを聞いたツウィは、おかしそうに笑っている


…恥ずかしい…
ツウィ
ツウィ
あはは…姉ちゃんらしいなぁ
サナ
サナ
ごめんって…
それよりツウィ、こんな朝早くからバイトって…何時に出たの?
ツウィ
ツウィ
ん~…4時には出たかな
サナ
サナ
4時…!?
全然気が付かなかった


私達を起こさず、そんな早くから…
ナヨン
ナヨン
兄ちゃん、もうこれで今日はずっとおうちにいるの?
ツウィ
ツウィ
11時まではバイトないよ
サナ
サナ
…そんなに詰め込まなくてもいいんじゃない…?
ツウィ
ツウィ
ううん、夏休みっていってももう少ししたら夏季特別講座始まっちゃうでしょ?
だから今稼げるだけ稼がないとだからね
私がもっと元気で、丈夫だったら


ツウィにこんな思いをさせずに済んだのに


その申し訳ない感情を汲み取ってくれたのか、ツウィは

何てことなさそうにナヨンを抱き上げてにっこりと笑った
ツウィ
ツウィ
大丈夫だよ
僕は姉ちゃんよりも元気だから
姉ちゃんは何も気にしなくていいから
…僕がいられない分、みんなの側にいてあげて?
そのツウィの声を聞いてしまったら、もう『無理しないで』

なんて言えなくて


ちょっと買い物言ってくる~と言って再び出ていったツウィを

見送ることしかできなかった

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