何てことなさそうに首を振って笑うチェヨン君に、流石
人気者だな、なんて呑気に思っていると、ふとある疑問が
頭をよぎる
あのスマホの画面を見せただけで先生は怯えていた
何だろう、脅迫文とかかな?
す、すごい…!
チェヨン君ってすごく頭良かったんだ…初めて知った
行動力も、咄嗟の判断力も、先生に立ち向かえる努力も
全部全部、私とは大違いだな…
父ちゃんか…チェヨン君のお父さんはすごいな
あんなにお金持ちで優しくて家族想いなお父さんがいたら
よかったのに
そしたら母ちゃんは…ツウィは、あんな想いをしなくてすんだ
ジョンヨン達にも、寂しい想いをさせずにすんだのに…
…父ちゃんが、あんな奴になってしまったから
何とか話題を逸らそうと何となく思っていたツウィの話題を
持ち出すと、なぜかチェヨン君は気まずそうに視線を逸らした
最近ツウィを見ても、横にいるのはチェヨン君じゃない
取り巻きみたいな男の子やたまに女の子
喧嘩した…わけではないと思う
ツウィから普通にチェヨン君に話しかけに行っていたから
ん…?
気のせいかな、今ミナちゃんの名前を出したら一瞬だけ
動揺したような…
ミナちゃんとも何かあるのかな
ツウィに負けないくらいの足の速さで私とは反対方向に
走っていくチェヨン君
いくつか謎を残したまま、私の一学期は終了したのであった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。