第33話

💔32
961
2021/02/08 13:29
あなたが起きてから1ヶ月くらいした時

季節は春になり病院の屋上からはチラチラと桃色が見え

花壇には春の花が植えられている。

その景色が気に入っているのかあなたはやたらと屋上に行きたがる。
『ねぇ、大我?』


大「どうしたの?」


『大我は愛のこと好き?』


大「...好きだよ?」
いきなり愛のことが好きかと言われた。

あなたの顔を見れば何故か悲しそうな顔をしていた。

なんでそんな顔するんだろう

そう思ったが、その答えは直ぐに分かった。
『あのね?私、大我のことが好きだよ。』
え、今なんて言った?
大「え、、?」


『でも、もう今日で終わりにするからさ、』


大「う、うん。」


『愛のこと幸せにしてあげてよ。』


大「...」


『逆に!幸せにしないと私が許さないから!』


大「分かった。」
あなたの目には涙が溜まっていて

今にも泣きそうな顔をしていた。
『ねぇ...』


大「ん?」


『最後にするから、今だけ抱きしめて...』


大「いいよ、」
俺はそっと抱きしめた。

大切な人に触れるように...



抱きしめるとあなたは静かに泣き出し

俺とあなたの間には春の風が吹いた。

あなたの匂いが鼻を抜け

きっとこの瞬間を忘れることは無いだろう。

俺の中でこの瞬間はこの先これが最後だったから...








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