『…ねぇ、もしかして私のために来てくれたの?』
高橋「いやそれは…」
『わざわざケーキ買って映画借りて、私のために?』
高橋「まあ、うん」
『…っ、』
高橋「は、なに。なんで?泣くなよ」
『…泣いてない、』
高橋「そんな嫌やった?」
『違う…ありがとう』
高橋「…嫌やないなら泣くな。心配なるやん」
そう言って親指で私の涙をそっと拭ってくれた。
高橋「ほら、ケーキ選びや?俺が先取るで」
『恭平はどっちがいいの?チョコかチーズ』
高橋「あなたが食べん方」
『えー…』
高橋「あ、どっちも食べたいんやろ。しゃあないな、一口あげるからはよ選べ」
『じゃあチョコ』
高橋「だと思った」
『…さすが』
高橋「…なぁ、なんで元気なかったのか知らんけど、なんでも俺に言うて」
『言えたらね、』
高橋「なんやねん。俺の優しさ受け取れよー」
『はいはい、笑』
高橋「何笑ってんねん」
『別に?笑』
高橋「はー?」
バカだよ恭平
こんなの、好きやめれないじゃん
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。