第14話

14話
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2021/06/20 12:23



『大吾くん…』


高橋「…誰?」





少し睨むように大吾くんを見る恭平
私は恭平から離れて大吾くんにピタッとくっついた。





『私大吾くんと帰るから…』


高橋「は…?」


西畑「ちょ、あなたちゃん!」





何か言いたそうな恭平を無視して大吾くんの手を引っ張る。
苦しくて、胸が締め付けられてつい逃げてしまった。





西畑「大丈夫…?」


『あ…ごめんなさい…気にしないでください』


西畑「泣いてる女の子1人で帰せへんよ。話聞こか?家どこ?って家はあかんか」


『聞いてくれるんですか…?』


西畑「俺でいいなら」





大吾くんはうちに着くまで何も聞かずにいてくれた。



部屋の前に来ると何か少し躊躇っている大吾くん





西畑「ほんまに入っていいん?」


『大丈夫です…どうぞ。あ、ここ座ってください』


西畑「お邪魔します…で、なんで泣いてるん」


『…失恋ですかね。ずっと好きだったのに彼女できちゃって。告白もできませんでした…かっこ悪いですよね、笑』





あ、やば。口に出すと余計泣きそう
そう思った瞬間、腕を引かれてふわっと優しい香りに包まれた。





西畑「無理に笑わんくてええんやで?俺が受け止めたる」


『……っ、』





友達と呼んでいいのかも分からない男の人に抱きしめられて、たくさん泣いた。


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