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第6話

6.
16
2021/03/16 09:27
ー結々sideー

私は晴に泣き顔を見られないように、家に帰った。

晴が私のことを恋愛対象として見てないっていうのは、知ってたけど...

実際に「ごめん」って言われるときつい。

辛い、辛かったけど、自分の気持ちに決着をつけられた。

多分、それでも私はまだ晴のことを好きでいると思う。

きっと晴は私に振り向いてくれることはない。


でも、それでも...晴の隣にいられるなら、私は幸せだと思うんだ。




その時だった。



ーピンポーン
インターフォンがなった。

私は誰かを確認する。
時雨 結々(シグレ ユユ)
時雨 結々(シグレ ユユ)
...樹...さん?
なんだろう。仕事のことかな。
私は玄関に行って扉を開ける。
時雨 結々(シグレ ユユ)
時雨 結々(シグレ ユユ)
樹さん?どうし...
椎名 樹(シイナ イツキ)
椎名 樹(シイナ イツキ)
結々、泣いた?
時雨 結々(シグレ ユユ)
時雨 結々(シグレ ユユ)
......え?
椎名 樹(シイナ イツキ)
椎名 樹(シイナ イツキ)
...目、赤くなってる。なんかあった?
時雨 結々(シグレ ユユ)
時雨 結々(シグレ ユユ)
えっと......とりあえず、中入ります?
椎名 樹(シイナ イツキ)
椎名 樹(シイナ イツキ)
あぁ、うん。そうだね。
私と樹さんはリビングのソファーに座った。


ー樹sideー


結々の家のソファーに腰かけた。
椎名 樹(シイナ イツキ)
椎名 樹(シイナ イツキ)
...で、何があったの?
時雨 結々(シグレ ユユ)
時雨 結々(シグレ ユユ)
えっと、その、...フラれたんです、晴に...。
...あぁ、そういうことか。


胸がモヤモヤする。





...そっか。俺、結々のことが好きだったんだ。


なんでだろう。


今ならいい曲が作れる気がする。

失恋ないと曲が書けないなんて、最悪過ぎるだろ。
時雨 結々(シグレ ユユ)
時雨 結々(シグレ ユユ)
えと...樹さん?
椎名 樹(シイナ イツキ)
椎名 樹(シイナ イツキ)
あっ、ごめん。そっか。結々は晴が好きだったんだね。
時雨 結々(シグレ ユユ)
時雨 結々(シグレ ユユ)
はい...ずっと好きだったのに、私が一番晴のこと好きな自信だってあったのに...。
椎名 樹(シイナ イツキ)
椎名 樹(シイナ イツキ)
辛いよね。
そう言っておきながら結々がフラれたことを喜んでいる自分がいることに嫌気がさした。

何を期待してるんだ、俺は。

結々はきっとまだ晴のことが好きだ。

俺に振り向くわけがないんだ。


だから、俺のこの気持ちは伝えない。


UDUKIの活動に支障が出たら困る。

それに、結々だって混乱する。


だからこの気持ちを隠そう。


あぁ。いい曲がどんどん浮かび上がっていく。
ー続くー

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