「なにしてんですかっ」
さすがに驚いて彼の胸板を思いっきり押した
キスをされて照れたわけではない
激しく怒りの気持ちが沸いてくる
なんなんだ、この人
樹『気に入ったよ、あなたちゃん』
わざとらしくちゃんづけして、ヘラヘラ笑いながら私の部屋を出て行く彼
なにも言い返せずその場に座り込んでしまった私。
ポケットに入れたスマホが鳴っているけど気にしていられない。
「なんなのよ、あの人…」
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!