第8話

pm5:23の彼(永瀬廉)1
3,198
2020/02/24 02:57
あなた

以上で1523円になります

あなた

ありがとうございましたー!




















高校卒業後

家庭の関係で働かなくてはならなかった私は

両親の経営している田舎のパン屋さんで

接客メインで働き始めました


















カラン コロン (ドアの開く音)

あなた

いらっしゃいませー

永瀬 廉
永瀬 廉
こんちゃー いつものください
あなた

揚げパンですね!240円になります

永瀬 廉
永瀬 廉
あざっす
あなた

今日も部活の帰りですか?

永瀬 廉
永瀬 廉
そうっす いつもいい匂いがするんっすよー笑 釣られちゃいます笑
あなた

ありがとうございます笑 関西弁なんですね 関西出身なんですか?

永瀬 廉
永瀬 廉
小学校の頃関西におって、抜けへんこなったんですよね……笑
あなた

そうなんですね笑 ありがとうございました。またお越しください!

永瀬 廉
永瀬 廉
あざーっす





















青春時代が無かった私は

いつも決まった時間にお店にやってくる彼に

少し興味を持っていました

























《別の日》
あなた

ありがとうございました!またお越しください!!









カラン コロン





あなた

いらっしゃいませー

永瀬 廉
永瀬 廉
こんちゃ
あなた

部活、お疲れ様です、笑

永瀬 廉
永瀬 廉
あざっす いつものパンは……。あっ、売り切れっすか……?
あなた

んふ笑 親に頼んで、永瀬さんの分取っておきました!笑 常連さんなのでね笑

永瀬 廉
永瀬 廉
まじっすか!あざっす!!
あなた

秘密ですよ!?笑 親も凄く喜んでいます笑 毎日来てくれるので

永瀬 廉
永瀬 廉
ここのパン屋さん、ほんとに最高なんっすよ!友達にもいっぱい紹介してるんっすよ笑
あなた

じゃあ、最近学生が多いのは永瀬くんのおかげ?笑

永瀬 廉
永瀬 廉
そうかもしれないっすね笑
あなた

親も喜ぶと思います笑 240円です

永瀬 廉
永瀬 廉
あざっす
あなた

今日もありがとうございました!またお越しください!

永瀬 廉
永瀬 廉
絶対来ます笑 またよろしくお願いします



























彼がいつも頼む揚げパン

それはうちのパン屋さんでも人気のパンで

よく売り切れることがありました

でも、彼との繋がりを失いたくなかった私は

親に頼んで永瀬くんの揚げパンを取っておくように

頼んでいました





























《休日》










カラン コロン




あなた

いらっしゃいませー ごめんなさい。今はまだ営業時間じゃ…… 永瀬くんっ!

永瀬 廉
永瀬 廉
はざっす こんな時間に来たら迷惑っすよね笑
あなた

いえ、どうしましたか?

永瀬 廉
永瀬 廉
いや、営業前だったらあなたさんと話せると思って……笑
あなた

えっ……?

永瀬 廉
永瀬 廉
……パ、パン屋!パン屋の話を聞きたくって!笑
あなた

あ、あぁ笑 いいですよ!笑 そこに座りますか?

永瀬 廉
永瀬 廉
あざっす。えっとー…… ここのパン屋はいつオープンしたんっすか?
あなた

物心着いた時からやってたからー…… わかんないですね笑 親に聞いたらわかると思いますけど……

永瀬 廉
永瀬 廉
あぁ、大丈夫っす!笑 あなたさんはなんで親の店手伝ってるんっすか?
あなた

んー…… まぁ、大学に行くお金がなかったって言うのが1番の理由なんだけどね笑 パン好きだし、親のパンはすっごく美味しいからそれも広めたくてね!笑

永瀬 廉
永瀬 廉
親孝行っすね笑
あなた

そんなことないよ笑 でもいつか、自分でパン屋さんを開きたいんだよねー もっとみんなにパンの美味しさを知ってもらいたい!と思っててね笑

永瀬 廉
永瀬 廉
でも、パン作れるんっすか?笑
あなた

そこが問題なんだよね笑 パン作れる人と結婚しなくっちゃ笑

永瀬 廉
永瀬 廉
結婚って笑
あなた

あっ、なんかごめんね……笑 もうそろそろオープンの準備しなくちゃいけないから!笑 また来てね!

永瀬 廉
永瀬 廉
あざっす!時間取っちゃってほんますみません笑 また来ます!





















笑顔でこの店を去っていった彼

この日以来、彼がこの店に現れることはありませんでした





























pm5:23















あなた

永瀬くん…… 私、あの時変なこと言っちゃったかな……?




















彼の連絡先を知っているわけでもなく

彼との連絡方法も無かったので

この店に来てくれることを願うことしかできませんでした

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