第55話

失恋ソング
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2021/08/04 10:37


司会1「最後になります!なんと!ギターで弾き語りをしてくれます!」


司会2「男女でステージ発表なんて素敵だわ〜」


司会1「うねうねすんな!気持ち悪い!こっち来んなー!」


生徒「あははは!!」


司会3「お前らうるさい。えー、2年の野村公平くん、横田優さんでーす」



2人でステージに立つ。


女子生徒「優〜!!公平〜!!」


女子生徒「公平くんカッコイイー!」


男子生徒「優可愛いぞー!」


体育館が騒がしい中、2人でお辞儀をすると大きな拍手でいっぱいになる。


ステージにある椅子に座る。


公平は私の隣にマイクを持って立った。


ステージのすぐ下には愛衣達が笑顔で手を振ってくれている。


周の隣には亮もいる。


亮はいつもより笑って手を振っていて可愛いなと思った。


公平「ふ〜、」


公平が緊張を全て吐き出すように息をゆっくり吐く。


優「ふ〜」


私もドキドキした心を沈めるように息を吐く。


公平「...」


公平がマイクを持ったのを見て私はギターを持つ。


優「トン トン」


私が2回ギターを叩いたのと同時に、公平の歌声と私のギターが重なる。


やっぱ、今日公平 声の調子いい。


公平が歌い終わると黄色い歓声があがった。


公平「はい」


公平は嬉しそうに微笑んでマイクを渡す。


優「ありがとう」


次は私の番。


公平が椅子に座ってその隣に立つ。


立つとみんなの顔が良く見えて緊張してくる。


私は失恋ソングを歌う。


周への失恋を歌に込める。


本当はまだ好きかもしれない。


それでも諦めなきゃいけない。


たくさんの周への思い、込めるんだ。


公平の方をチラッと見て、公平がギターを弾き始める。


歌い出してからは、緊張なんか無くなっていた。


歌い終わって、拍手に包まれる。


公平の時とは違って、みんなしんみりした雰囲気。


3曲目は2人で椅子に座って弾き語りをする。


歌い終わった後、2人で立ち上がって向かい合うと、公平が楽しそうな顔をしていて私も笑顔になる。


最後はアカペラ。


公平「いくよ」


優「うん」


公平「1 2」


2人で歌い出すと、体育館がワッと盛り上がった。


公平と向かい合って歌うのがすっごく楽しい。


今日のハモリめっちゃ綺麗。




歌い終わって、2人でお辞儀をする。


優 公平「「ありがとうございました」」


たくさんの拍手と、歓声。


ステージからみんなの笑顔がよく見えた。


周達に手を振ると、5人が楽しそうに笑って手を振ってくれた。


嬉しくて笑顔になる。


公平「優」


公平は両手を広げて優しく微笑んだ。


優「公平ー!」


私も笑って公平に飛びつく。


生徒「「きゃー!!」」


女子生徒「やば、やば!」


男子生徒「俺らの優ちゃんが、、」


2人で歓声に驚いて目を合わせる。


公平「あはは!」


優「いつから先輩達の物になったんだよww」


公平「出てよかったな」


公平が私の肩を掴んだままはにかむ。


優「やったね、大成功!」


公平「やったな!」


公平はお兄ちゃんのように私の頭をぽんぽんとした。


私達がステージから降りた後も、拍手と歓声がなりやまなかった。

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