司会1「最後になります!なんと!ギターで弾き語りをしてくれます!」
司会2「男女でステージ発表なんて素敵だわ〜」
司会1「うねうねすんな!気持ち悪い!こっち来んなー!」
生徒「あははは!!」
司会3「お前らうるさい。えー、2年の野村公平くん、横田優さんでーす」
2人でステージに立つ。
女子生徒「優〜!!公平〜!!」
女子生徒「公平くんカッコイイー!」
男子生徒「優可愛いぞー!」
体育館が騒がしい中、2人でお辞儀をすると大きな拍手でいっぱいになる。
ステージにある椅子に座る。
公平は私の隣にマイクを持って立った。
ステージのすぐ下には愛衣達が笑顔で手を振ってくれている。
周の隣には亮もいる。
亮はいつもより笑って手を振っていて可愛いなと思った。
公平「ふ〜、」
公平が緊張を全て吐き出すように息をゆっくり吐く。
優「ふ〜」
私もドキドキした心を沈めるように息を吐く。
公平「...」
公平がマイクを持ったのを見て私はギターを持つ。
優「トン トン」
私が2回ギターを叩いたのと同時に、公平の歌声と私のギターが重なる。
やっぱ、今日公平 声の調子いい。
公平が歌い終わると黄色い歓声があがった。
公平「はい」
公平は嬉しそうに微笑んでマイクを渡す。
優「ありがとう」
次は私の番。
公平が椅子に座ってその隣に立つ。
立つとみんなの顔が良く見えて緊張してくる。
私は失恋ソングを歌う。
周への失恋を歌に込める。
本当はまだ好きかもしれない。
それでも諦めなきゃいけない。
たくさんの周への思い、込めるんだ。
公平の方をチラッと見て、公平がギターを弾き始める。
歌い出してからは、緊張なんか無くなっていた。
歌い終わって、拍手に包まれる。
公平の時とは違って、みんなしんみりした雰囲気。
3曲目は2人で椅子に座って弾き語りをする。
歌い終わった後、2人で立ち上がって向かい合うと、公平が楽しそうな顔をしていて私も笑顔になる。
最後はアカペラ。
公平「いくよ」
優「うん」
公平「1 2」
2人で歌い出すと、体育館がワッと盛り上がった。
公平と向かい合って歌うのがすっごく楽しい。
今日のハモリめっちゃ綺麗。
歌い終わって、2人でお辞儀をする。
優 公平「「ありがとうございました」」
たくさんの拍手と、歓声。
ステージからみんなの笑顔がよく見えた。
周達に手を振ると、5人が楽しそうに笑って手を振ってくれた。
嬉しくて笑顔になる。
公平「優」
公平は両手を広げて優しく微笑んだ。
優「公平ー!」
私も笑って公平に飛びつく。
生徒「「きゃー!!」」
女子生徒「やば、やば!」
男子生徒「俺らの優ちゃんが、、」
2人で歓声に驚いて目を合わせる。
公平「あはは!」
優「いつから先輩達の物になったんだよww」
公平「出てよかったな」
公平が私の肩を掴んだままはにかむ。
優「やったね、大成功!」
公平「やったな!」
公平はお兄ちゃんのように私の頭をぽんぽんとした。
私達がステージから降りた後も、拍手と歓声がなりやまなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。