周「優ー!」
優「んー」
やっと周のことを意識しなくなった。
私の周への好きの気持ちが消えた頃、私の学校では文化祭準備期間に入った。
私達のクラスはメイド喫茶をする。
放課後の今はクラスみんなで準備中。
周「赤のペンキある?」
優「あれ、無くなったの?」
クラスの男子「無くなっちゃってさー」
クラスの女子「周くん達と染めてたら使い切った」
クラスの女子が空っぽのペンキの缶を見せる。
優「あらほんとだ」
周「もう教室にもないよなあ」
周がキョロキョロ見回す。
公平「2人で買ってきてよ」
優「え」
公平が優しく笑っている。
奈生「僕と佳奈ちゃんと愛衣ちゃんは服作ってて忙しい!」
ミシンを忙しく動かしながら奈生が言う。
愛衣「私も行きたいー!」
佳奈「だめ、生地まだまだあるんだから」
愛衣「うえー、」
愛衣が嫌な顔をしながらハサミを使って服の生地を切っている。
奈生と愛衣と佳奈は女子達と一緒にメイド服を作っている。
公平「俺も木材とか切らなきゃいけないし」
公平は男子達と一緒に木材や重いもの関係をほとんど頑張ってくれている。
行ける人は色染め担当の私と周しかいないのか。
周「優!行こう!」
周はニッと明るく笑って私の手首を引っ張る。
優「はいはい」
2人で廊下をトコトコ歩いていると担任のひまり先生から名前を呼ばれた。
担任「2人とも!今から外行くの?」
周「はい!」
担任「じゃあこれ、」
ひまり先生は優しく笑ってお金をくれた。
優「え?なに」
担任「みんなにアイス買ってきてあげて、頑張ってるから」
ひまり先生は可愛く笑って言う。
周「まじ!?」
優「えー!!」
周優「「ありがとう!!」」
周「これでいい?」
ホームセンターのペンキ売り場に行った私と周はペンキと睨めっこ。
2人でしばらくしゃがみこんでペンキを見つめる。
優「水性と油性って何が違うんだよ」
周「まあ、染めれたらいっか!」
周はカゴにペンキをボンと入れて立ち上がる。
優「適当かよw」
周「アイス溶けそ〜」
優「急ご」
周と二人で教室に急ぐ。
クラスの男子「おー、おつかれ」
クラスの女子「おかえり!」
優「はいっ」
私は持っていたペンキを色染め担当の男子と女子達に渡す。
公平「ありがとな」
公平はお兄ちゃんみたいに笑って言った。
優「2人でおつかい楽しかったよ」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。