第12話

2回目の告白
301
2021/04/01 10:35

キーンコーンカーンコーン


やっっと予鈴がなった。


お腹すいたなー。


昨日はあんなにしつこく絡んできた周が今日は1度も声をかけてこない。


やっぱ嫌われてるんじゃん、私。


奈生「優ー?ご飯行こう」


奈生と光平がお弁当を持って私を見ている。


優「おう!行こ!」


周に嫌われたっていいよ。うん。気にしない。


愛衣「さっきの授業眠すぎたあ」


佳奈「愛衣お腹なってたしね」


愛衣「え!?聞こえた!?」


佳奈「はは、やっぱり」


愛衣「お腹なるのは人間の本能です!」


愛衣と佳奈が楽しそうに話している。


光平達3人は前を歩いている。


なんでこんなに周のことばっか気にしてんだろ?


優「あー!」


愛衣「なに!?」


佳奈「あ?」


光平「?」


奈生「なになにー?」


周「?」


私、先生に課題出してないや。


あれお昼までだったよね。


優「ごめん!課題忘れてた!出してくる!」


愛衣「なんだよ!びっくりしたなあ」


佳奈「行ってらっしゃい」


光平「俺ら飯食ってるわー」


奈生「ばいばーい」


笑って手を振ってくれた。


とりあえず、校内爆走しよ。





周side


奈生「優足はっや」


光平「あいつ怒られるぞww」


愛衣「ほんとほんとw」


俺、横田さんに言いたいことがあったのにな。


今日ずっとどうしようか考えてて、声もかけられなかった。


周「あのさ!ちょっと俺も課題出してくる。」


光平と奈生が背中を押してくれた。


光平「おう!」


奈生「頑張れ!」


愛衣「ばいばーい!」


佳奈「行ってらー」


周「ありがとう!」


言うんだ、絶対。






優side



あー疲れた。


職員室を出てあくびをする。


お弁当食べたい。


皆のところに戻ろうと歩いていると、前から周が歩いてきた。


優「...」


私はまた目を逸らしてしまう。


周「横田さん」


周に名前を呼ばれて顔を上げると、周は真剣な目をしていた。


周「俺とお昼食べない?」





___教室___



優「...」


周「...」


自分から誘ったくせになんも話さないじゃん。


お弁当食べちゃお。


優「いただきまーす」


周「い、いただきます。」


周はちゃんと手を合わせている。


意外と礼儀正しい。


優「あのさあ、無言気まずい。」


私がお弁当を見つめながら言うと、周はやっと話し出した。


周「俺と友達になってください」


優「え?」


周「2回目の告白です。」


周は照れたように笑った。


優「私のこと、嫌いじゃないの」


周「俺は横田さんのこと、嫌いにならないよ。」


周の優しい顔。


優「うん。私も友達になりたいです。」


私の一言で周はすっごく笑顔になった。


太陽みたいにキラキラしてた。


周「あー、嬉しいな。」


優「あの時ごめん。嫌いって言って」


私が控えめに謝ると、周はケロッとした顔をしていた。


周「え!?謝った!」


優「は?驚くことなの?」


周「いや、違くて!嬉しくて!」


素直なやつなんだな。


顔に全部出てる。


優「あんたって変なやつ。」


周「横田さんは素直じゃないよね」


優「うっざ」


周「へへ、ツンデレだよね」


優「うっさい」


周「あ、認めた」


優「認めてねえし、お前友達やめるぞ」


周「あははは!ごめんーー!」


私達はしばらく黙って食べた。


食べ終わって、片付けながら周に気になっていたことを聞いてみた。


優「普通嫌いって言われたら諦めるじゃん。なんでずっと声かけてくれたの。」


周「んー、諦めたくなかったから、かな」


優「諦め悪いやつ」


周「まーね」


優「ドヤんなって」


周「えへへ、そうだ、LINE交換してよ」


周はニコニコしてる。


優「私優しいから交換してあげる」


私もスマホを出して周を追加した。



周「2回目の告白は大成功だ!」


周は明るく笑ってピースした。

プリ小説オーディオドラマ