第68話

後悔
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2021/09/01 09:54

亮「はよ」


話しながら登校していたら、亮が後ろを向いた。


私もふと振り返ると、耳にイヤホンをした周が歩いてきていた。


周「..はよ」


周は私から目をそらすと、冷たく返事をして歩いて行った。


亮「なに、喧嘩したの?」


亮は周の背中を見つめながら私に聞く。


優「そんな感じ」


私は苦笑いをして亮を見る。


亮「そうか」


亮は何も聞いてこない。


無理に話さなくていいよって意味だと思う。


亮は優しいな。






萌花「しゅーくん!」


帰り道、萌花ちゃんは周の腕を掴んでくっついて歩いている。


周「なになに」


周も優しく笑っている。


あの日から周とは何も話していない。


私が謝ればいい話だ。


でも、私は嫌われたままでいい。


萌花ちゃんと周が幸せになれるなら、私は悪者になる。


萌花ちゃんの言う通り、私って邪魔な存在だったんだな。


2人の背中を見つめて寂しくなっていると、愛衣が私の名前を呼んだ。


愛衣「優!どうしたの、具合悪い?」


佳奈「優?」


優「あ、全然!元気だよ?」


私は2人に笑いかける。


愛衣「もー!無理しないでね?」


佳奈「熱出た日からずーっと元気ない」


心配かけちゃってるんだ。


優「ごめん、大丈夫だよ」


誤魔化すように笑って言う。




周side


優って俺の事嫌いだったんだな。


友達だと思ってた。


友達になれたと思ってた。


優と話したい。


でも優は俺と話す気無いだろうな。


萌花「周くん聞いてるー?」


隣にくっついて歩く白雪が首をかしげた。


周「わり、なに?」


萌花「もー!聞いててよね?」


白雪はほっぺをふくらませて言う。


優だったら、ちゃんと聞いとけバカって言うんだろうな。


いつもみたいに笑って。


後ろにいる優をチラッと見ると、優は堀さんと佐々木さんに心配されているみたいだった。


優元気ないもんな、心配になるよな。


元気無いのも、全部俺のせい。


友達に戻れなくなるくらいなら、好きって伝えればよかった。

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