第23話

ずっとごめん
261
2021/04/25 09:09

クラスメイト「早く片付けようぜー」


クラスメイト達が黒板いっぱいに貼られている私の中学時代の写真を剥がす。


クラスメイト「こんなこと誰がしたんだろ?」


多分春樹。


かばうわけじゃないけど、春樹の名前を出したら可哀想だから私は黙っておくことにした。


優「はぁぁ、」


一気に疲れが来て、しゃがみこむ。


佳奈「優大丈夫?」


愛衣「無理しないで!!」


奈生「保健室行く?」


5人はほんとに優しい。


私は首を振って苦笑いをした。


優「ちょっと保健室行くね」


5人に心配されながら1人で教室を出る。


保健室まで少しでも泣き顔を隠そうと下を向いて歩いた。


ガラガラ


保健室に行くと、保健室の先生が近寄ってきてベッドに連れて行ってくれた。


保健室の先生「気持ち悪い?」


優「少し、」


保健室の先生「目が腫れてる、昨日泣いたりした?」


優しく笑いかけてくれる。


優「..少し、」


恥ずかしくて下を向くとベッドでしばらく寝るようにと言って保健室を出て行った。



布団に潜り込んで丸くなる。


最近たくさん泣いてるな。


昨日も眠れなかったから気持ち悪いのかな。






キーンコーンカーンコーン




チャイムで目が覚めて起き上がる。


時計を見るとお昼休みの時間になっていた。


ガラガラ


周「せんせー」


周の声がした。


カーテンで見えないけど、パタパタ動いているのがわかる。


周「あれ、いない、まーいっか」


1人で何言ってんの。


面白くなって笑ってしまった。


優「ふふ」


周「優?開けてい?」


優「ん、いいよ」


カーテンを開けた周は嬉しそうに笑っていた。


周「もう元気?」


優「元気」


周はもっと嬉しそうに笑って手に持っている袋をガサガサ開けた。


周「これ」


周はベッドの上に座りながら果物ゼリーを渡した。


優「ゼリー?」


周「食欲無いかなって思って、もしお腹すいてたら俺のパン半分こしよ」


周はおっきいメロンパンを見せてきた。


優「うん、ありがとう」


私は貰ったゼリーを見ながら笑った。


ゼリーを開けて食べる。


周も美味しそうにメロンパンを食べている。


周「ごめん」


周はメロンパンを見つめながら謝った。


優「なにが?」


周「いじめてごめん」


泣きそうな顔。


優「顔に全部出てるぞ」


私は片手で周の頭をくしゃくしゃした。


周は顔を上げた。


ビックリした顔。


優「中学時代めちゃくちゃにされたし、
高校生になったらいじめてたくせに告白とかしてきたし。」


周「ごめんなさい」


優「でも周のおかげで変われたから。」


周「俺のおかげ?」


周は首を傾げる。


優「あんなにジメジメしてて、陰キャでデブだった私が、今はこんなに可愛くなりましたよ?」


私は笑う。


周には笑って欲しい。


周「うん、可愛いよ。昔も今も。」


周はへらっと笑った。


周「ありがとう」


優「うん」


しばらく静かになって2人でご飯を食べる。


周「そーいえば、」


優「ん?」


周「優が保健室に行った後、俺結構冷たい目で見られたんだよねー、w」


周がヘラヘラ笑う。


優「なんで、」


周「俺がいじめてたって言ったから」


周はなんで笑ってるんだろう。


辛くないのかな。


周「自業自得だってわかってるし平気なんだけどね」


周が笑って私を見る。


優「なんで笑ってられんの?」


周「違うんだって!そん時に公平達が助けてくれたんだよ」


優「公平達が?」


周「優なら周をそんな目で見ないだろって言ってくれた」


優「そっかあー、」


周「だからいつも通りにみんな仲良くしてくれてる!」


優「よかった」


私も周に向かって笑ってみせる。


優「朝、1番に私の事庇ってくれてありがとう」


周はまた気持ちを全部顔に出した。


周の顔はキラキラしてた。

プリ小説オーディオドラマ