佳奈「おはよう」
佳奈がドアから顔を出す。
優「はよー!」
着替えが入っているリュックとお出かけ用の小さいカバンを持って佳奈の家におじゃまする。
愛衣「ゆー!やっほー!」
愛衣はバタバタ走って笑いながら抱きついた。
優「やっほー!」
佳奈「リビングいって荷物適当に置いてよ」
佳奈はふふって笑ってリビングに入る。
今日から佳奈の家で3人でお泊まりをする。
佳奈のお父さんとお母さんが1泊2日のデート旅行をするらしくて、今日と明日は3人だけだ。
愛衣「うああ、楽しみすぎてニヤニヤするー!!」
3人でお昼ご飯を食べていると愛衣が叫んだ。
優「朝からずーっとニヤニヤしてるじゃん」
私は笑って愛衣を見る。
佳奈「よく遊ぶけどお泊まりは初めてじゃない?」
優「確かに」
愛衣「みんなの寝顔を撮るんだー」
愛衣はドヤ顔。
佳奈は凄く嫌な顔をした。
佳奈「絶対やだ」
優「佳奈の寝顔絶対可愛いよな」
愛衣は頷いた。
愛衣「絶対可愛い」
2人で佳奈をじーっと見ると、佳奈は照れた様子で怒った。
佳奈「こっち見んな!!」
愛衣「どれどれー!」
愛衣はわざと佳奈にくっついてじーっと見つめる。
優「ふふ、私もー」
私も佳奈と愛衣にくっつく。
佳奈「もー!暑っつい!!」
佳奈は笑いながら床に倒れた。
愛衣「あははは!」
優「汗かくー!」
3人で笑って床に寝転んだ。
食べかけのハンバーガーをテーブルに置いたまま、しばらく寝転んで話す。
佳奈「ねー、マック食べよー」
佳奈は目をつぶったまま言う。
愛衣「絶対ジュースの氷溶けてる!」
愛衣がうつ伏せのまま笑った。
優「腹減ったあ」
私は猫みたいに丸まって言う。
佳奈「誰だよ押し倒したのー」
愛衣「誰だああ!」
優 佳奈「お前だよ」
愛衣「ええー?」
愛衣はとぼけて言う。
佳奈「優も押し倒したじゃんかよ!」
優「ええー?」
私もとぼけて笑った。
起きるのが嫌になった私達はしばらくダラダラして起き上がって残ったハンバーガーを食べた。
その後夜ご飯を作るために材料を買いにスーパーに出かけた。
__スーパーの帰り道__
優「なんか、お母さんになった気分」
佳奈「わかる、結構楽しい」
愛衣「私は夜が楽しみー!」
優「恋バナだっけ?」
佳奈「お菓子爆買いしたし、私もちょっと楽しみ」
愛衣「夜更かししようね!!」
3人で並んで歩く。
今日はずっと楽しいな。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。