第63話

萌花ちゃん
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2021/08/21 11:48

萌花「私は白雪萌花、あなたは?」


周の手を握って可愛く見上げるこの子は白雪萌花(しらゆき もか)


私達の隣のクラスの子で、すごく可愛い見た目と少しぶりっ子っぽい性格で男子からモテモテらしい。


愛衣「おーい!2人ともどうしたの?」


先に履き替えて教室に向かおうとしていた愛衣達が遠くから聞いてきた。


優「あ、先行ってて!」


私は下駄箱から廊下に顔を出して、声をかける。


奈生「はーい」


5人が楽しそうに歩いていく後ろ姿を見届けてから周と萌花ちゃんの方を振り返った。


周は手を握られたまま困ったようにしている。


周「緒方」


萌花「おがたー?違うよ名前教えてっ」


周「周」


萌花「へー!周くんって言うんだ!」


優「周、そろそろ時間」


周を助けようと声をかける。


周「だな、俺ら教室行くわ」


周は萌花の手をパッと離して、私の腕を掴んで歩きだした。


萌花「じゃあ、またね♡」


萌花ちゃんは私達の方を見て、可愛く笑って手を振った。


周「おう」


周は萌花ちゃんの方をちらっと見てスタスタ歩く。


優「ごめん、余計なことした?」


私は周の顔をのぞき込むと、周は笑って首を振った。


周「めっちゃ助かった!」


優「そう、」


私は笑って頷く。


周「びっくりしたわ、いきなり手握ってきて」


周は自分の手を見つめて言う。


優「好きになっちゃったの?」


私は何故か悲しくなって聞くと、周はすっごく大げさに否定した。


周「なわけ!!!俺は、」


愛衣「あ!やっと来た!」


愛衣の声がして周は話すのをやめてしまった。


佳奈「2人とも早く教室おいで」


教室から佳奈と奈生が私と周を見つめている。


周「おう!今行く!」


周は笑って教室に入ろうとした。


優「周、なんか話そうとしてたよね、なに?」


私は気になって、周のリュックを握った。


周「ううん、なんでもない!」


周は素直に笑ったから私も安心して笑った。


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