side あなた
ラ「あなたちゃん…」
喉頭癌。そう言われた。
声帯に癌が出来ていたらしい。
ラ「やだ、やだよっ!あなたちゃんの声が聞けなくなるなんて…ねぇ!あなたちゃん!」
宮「ラウール。落ち着いて。」
ラ「そう思わないの!?だって…だって…」
【ラウール、おいで?】
近くにラウールを誘う。
あぁ、もうすぐ泣きそう。
そんな悲しい顔しないで。
【私は手術ははなから受けるつもりはない。
例え、癌の巣になったとしても。】
【最後までアイドルは全うしたいから。】
岩「…あなた、考え直して。お願いだから。」
【生きてて歌えないなら、死んだほうがマシ。】
阿「あなた…」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!