魚を捌いているとスングァンが興奮してやってきた。
しょうがないので、魚を捌く手を止めてスングァンの話を聞くことにした。
スングァンがあまりにも大きい声で叫ぶので、その場にいた何人かはこっちを驚きの目で見つめていた。
ジョンハンとジスは怒ったような表情で、、、ホシは、私のことを心配そうに見つめていた。なぜかウジも私のことを見つめていたけど…
ほかのメンバーはその光景を見たいらしく、急いで宿舎の中に入っていった。
私が何も言えないのを見て、ホシが急いで私の手を引っ張った。
ホシのおかげで、ジョンハンの質問にスングァンがなんて答えたかは聞けなかった。
少し離れたところまできて、私が「ホシ」ではなく「スニョン」と呼ぶとやっと止まった。
スングァンから話を聞いた時、泣きそうになっていたのかもしれない。そう思うとスニョンがいてくれて助かった。
スニョンは、静かに私を抱きしめてくれた。私よりも背が高いスニョンの背中を掴んで泣いた。
私の泣き声にかき消されて、スニョンの声は聞こえなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。