スンチョルが用意してくれたのは、目玉焼きトーストだった。
久しぶりの、2人だけの落ち着いた朝だ。練習生の頃が懐かしくなった。
朝ごはんを食べ終わったので、私は食器の片付け、スンチョルはDVDをセットしに行った。
テレビを付けると、映画が始まった。電気を消して、できるだけ映画館っぽく演出する。
映画は恋愛モノだった。キュンキュンして、スンチョルの方をむくと、スンチョルもこっちを見ていた。
ソファに押し倒されて、視界がスンチョルでいっぱいになる。
完璧にスイッチの入ってしまったスンチョルは止められない。
玄関の方で声がして、私とスンチョルは飛び起きた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。