ウォヌに話があると言われ、連れてこられたのは会議室だった。
久しぶりだな、練習は頑張っているか?
部屋に入ると、既に代表が座っていた。空気が妙に重々しい。
急に呼び出してしまって済まない。しかし、ウォヌの状況を知りたくてな…今回は、ウォヌ無しのカムバックを考えているんだ。
え、ウォヌ無しってどういう事ですか!?
俺、もっと練習すれば出来ます!
代表の言葉にみんなが目をむいた。ウォヌをぬいた13人のメンバーで活動するなんてありえない。
ウォヌ、お前は1週間寝たきりだったんだ。体力の回復もしていないし、本来なら体を動かすなんてありえない事なんだぞ。
でも、ウォヌはいなかった分の練習も取り返してきています。カムバックまであと1週間あるんですよ、ウォヌなら完璧に出来ます
無理をして、もう一度倒れたらどうする?お前たちが1番大切にしているものはなんだ?Caratだろ?その、ファンの皆さんが心配するんだ。
なにも、言い返すことが出来なかった。確かに、ウォヌが倒れたことが世間に知られていないのに、メンバーを休ませろという声があるのは確かだ。
今回のカムバックに参加できないと決まったら、俺はいつ活動を再開できるんですか?
ッヒョン!
活動休止を認めたような発言をするウォヌに、ミンギュが止めに入った。でも、ウォヌと代表の会話は続いていく。
ウォヌの体力が戻り次第、音楽番組にも出演させるつもりだ。
それなら、休みます。メンバーに迷惑をかけるのも嫌だし、ファンの皆さんに心配をかけるのも嫌なので。
ウォヌ…なんで?
ウォヌは練習に遅れていた訳じゃない。1週間もあれば、完璧になっていたはずだ。それなのに、休む理由が誰も分からなかった。
直ぐに、公式で発表する。
代表が部屋から出ていって、話は終わった。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。