練習室を出たあと、直ぐに釜山行きの新幹線を取った。そして、3日経った今私は家に来ている。
家に入ると、そこにはお母さんと弟のジョングクがいた。リビングに入るなり、ジョングクに抱きつかれる。
ちゃんと笑えていなかったのかもしれない。ジョングクはその大きい目に涙を溜めた。
ジョングクの目からポロポロと涙が落ちる。気づいたら、私の目からも涙が溢れていた。ジョングクに抱きしめられて声を出して泣いた。
いつもの暖かい笑顔でお母さんは私たちの背中を優しく叩いた。それだけで、安心して涙が引いていく。それは、ジョングクも同じだったみたいで、2人で顔を見合わせて笑った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。