第2話

誰でもデレ期は訪れる_志麻
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2021/02/14 21:00
『ねぇーえー』
『…なに?』
今日は土曜日。
もう今はお昼の2時を切ったところ。
せっかくのお休みだけど、出かける気も起きないし、ゴロゴロゆっくりしている。

がしかし、突如訪れた志麻の"デレ期"。
『ねぇ、あなた〜ぎゅーしよっ?』
『志麻、どしたん』
『どーもしてへんもぉん、ぎゅーしたいだけ〜』
『えぇ…志麻そんなんやったっけ…』
昨日までの出来事を思い出す。
私の中での志麻のイメージは、冷静沈着。
可愛いよりかっこいい、そんな人だった…はず。
なのに、突然どうしたのだろう。
どこかに頭をぶつけたのか、いやそんなドジじゃない。
『んもぉ…ぎゅーってしょ?』
『んまぁ…ええけど…』
私の了承を得てすぐ、飛びついてきた。
ぶっちゃけ私の許可なんているのか、そう思ったけどね。

抱きついてきた志麻は、まるで小さな男の子のようだ。
いつのかっこよさは消え、ただ可愛さが今はある。
『んふふ〜あなたあったかぁい』
『そう?体温低い方やけど』
『じゃあ、照れてるんちゃぁう?』
『は、はぁ?』
志麻に言われてすぐに意識してしまった。
確かに顔には熱が集まっている気がする。
付き合って結構月日は経ったが、まだハグやキスは慣れていない。
一方で志麻は、慣れているようだった。
ん…
『っ!?////』
何か少しでもの反撃になるか、と考えたところ、私は抱き着き返すという手段を選んだ。
ホントに少しだけど、それだけでも志麻は驚いたようだ。
だんだんと彼の表情に焦りが見え、頬は紅潮して見えた。
それだけでも、私は嬉しかった。
『んぅ〜…ズルいって…あなた…』
『何がズルい〜ん‪w』
私の肩に頭をグリグリと押し付ける志麻。
恥ずかしいのか、照れ隠しなのか…
なんだかその行為ですら、私には可愛く見えてしまった。

これは重症かもしれない。

























『志麻、好きだよ』
不意に好きを伝えると
『っ!?!?/////』
『お、俺も…すきやもん…』
目を見開いて、顔を真っ赤に染めて"すき"の2文字を伝えてくれた。
私はそんな彼を見つめて、微笑んだ。











『誰でもデレ期は訪れる_志麻』

Fin________

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