第15話

15話
1,275
2018/10/28 04:01
アイツらの家に一緒に住むなんて、思いもしなかった。



でも、なぜか心底嫌だという訳でもない。



なんでだろう…?



その日の夜…
Ryota.K
Ryota.K
あなたちゃん!
貴方
貴方
あ、来た
Ryota.K
Ryota.K
行こう!
貴方
貴方
他の奴らは家で待機?笑
Ryota.K
Ryota.K
皆誰があなたちゃんのこと迎えに行くのかずーっと言い争ってて
Ryota.K
Ryota.K
俺だけこっそり抜け出して迎えに来たってわけ
貴方
貴方
後で責められるよ
Ryota.K
Ryota.K
大丈夫大丈夫!
Ryota.K
Ryota.K
あっ、ちゃんとあなたちゃんのお部屋あるし、俺らの部屋より少し離れた所にあるから
貴方
貴方
ん、ありがと
Ryota.K
Ryota.K
ペットちゃんのお願いは聞かないとね?
貴方
貴方
はいはい…
Ryota.K
Ryota.K
あなたちゃんって好きな人いるの?
貴方
貴方
は?何いきなり
Ryota.K
Ryota.K
いるのかなーって
貴方
貴方
いるわけない
Ryota.K
Ryota.K
ふーん…
Ryota.K
Ryota.K
俺さ、あなたちゃんのこと好きなんだよね
貴方
貴方
そんな事言われても困る
Ryota.K
Ryota.K
しょうがないじゃん、好きなんだから
Ryota.K
Ryota.K
だってあなたちゃん可愛いんだもん
貴方
貴方
どこが?目腐ってるよ
Ryota.K
Ryota.K
皆のあなたちゃんじゃなくて、俺だけのあなたちゃんがよかったな〜
Ryota.K
Ryota.K
皆に取られちゃうよ…
貴方
貴方
誰かに取られるなんて、聞いただけでも寒気がするわ…
Ryota.K
Ryota.K
俺、あなたちゃんのこと独り占めしたかったな…(小声)
Ryota.K
Ryota.K
皆に取られちゃうのは仕方ないから、せめて一番最初は俺にちょーだい?
貴方
貴方
何言ってんの…
涼太はあなたの手を掴んで路地裏のような場所に入っていった。



すると、涼太はあなたの顔の横に手を置いて、あなたと向き合った
貴方
貴方
な、何

涼太は口角を上げて囁いた。
Ryota.K
Ryota.K
怖い?
貴方
貴方
怖いわけないじゃん…
Ryota.K
Ryota.K
痛くないから

そう言うと、涼太はあなたの首に顔を近づけた。
あなたは、抵抗せずに目を瞑った。
チクッと首に走る小さな痛み。


感じたことのない痛みで、小さく声が出てしまった。
貴方
貴方
んっ……
数秒後、涼太はあなたの首から離れ、口元についた血を舐めとった。
Ryota.K
Ryota.K
俺が一番乗りだねニコッ
貴方
貴方
んなの、どーでもいいし…
Ryota.K
Ryota.K
あんま痛がらなかったね
貴方
貴方
痛いのは慣れてる
Ryota.K
Ryota.K
声出てたけど?
貴方
貴方
勝手に出ただけだから
Ryota.K
Ryota.K
ツンデレだな〜笑
貴方
貴方
ち、違うし

そう言って、怒っているのか早歩きで裏路地から出ようとするあなた




あなたちゃんは全部が可愛いな…笑




そして、着いた涼太達の家
貴方
貴方
え…デカっ
Ryota.K
Ryota.K
そーかな?

目の前にあるのは、大きなお屋敷
貴方
貴方
家ここなの…?
Ryota.K
Ryota.K
うん、そうだよ
Ryota.K
Ryota.K
早く行こ!皆待ってるから…笑


中に入ると凄く広くて、迷いそうな感じの家


てことは、私の部屋広いんじゃ…?


そして1つの扉に入る



そこは私の元々住んでた家の部屋よりも大きい部屋だった
Ryota.K
Ryota.K
ここだよ、あなたちゃんの部屋
Ryota.K
Ryota.K
俺らの部屋より少し大きいんだ
Ryota.K
Ryota.K
説明終わり!ほら、早く行こ!
Ryota.K
Ryota.K
皆機嫌悪くなっちゃう笑

周りを見ながら涼太の後ろについて行くと、両開き扉の部屋に着いた
Ryota.K
Ryota.K
ここが大広間、皆ここにいるよ

ガチャ、と音を立てて扉を開けば、中から聞こえてくる騒がしい声
Yuta.N
Yuta.N
おい、涼太くんそれはアカンやろ!
Mandy.S
Mandy.S
ずるいって!
Hayato.K
Hayato.K
何で先に1人で行くんですか!
Ryuto.K
Ryuto.K
抜け出して1人であなたちゃんのこと迎えに行くなんて、ずるい奴やな〜!
Alan.S
Alan.S
俺も行きたかったのに!
Reo.S
Reo.S
酷いなぁ〜、涼太くん

予想通り皆から責められる涼太
Ryuto.K
Ryuto.K
あなたちゃんになんかしてへんよな〜?
Ryota.K
Ryota.K
してないから!笑
Hayato.K
Hayato.K
ほんとですか〜?
Alan.S
Alan.S
涼太怪しいな〜笑
Yuta.N
Yuta.N
何するかわからへんからな
Mandy.S
Mandy.S
絶対なんかしてるって!笑
Reo.S
Reo.S
あなた、なんか涼太くんにされた?

玲於が睨んでそう言った


その時、後ろの方で皆にバレないように小さく手を合わせてる涼太
貴方
貴方
いやいや、されてないから笑
Reo.S
Reo.S
…ふーん、ならいい
バレずにやり過ごせたことに、ほっと一息ついた


涼太も声を出さずに『ありがとう』と言った
Yuta.N
Yuta.N
涼太くんほんまに、もうこんなことせんといてや〜?
Ryota.K
Ryota.K
次からは気をつけるよ!
Ryuto.K
Ryuto.K
その顔、またするやろ?
Ryota.K
Ryota.K
しないしない!笑
Alan.S
Alan.S
今日みたいにあなたちゃんと2人になる時があったら俺がこっそり行くから!
Mandy.S
Mandy.S
いやいやダメだから!笑
Reo.S
Reo.S
次誰かそんなことしたらまじ皆でそいつのこといじめよーぜ笑
Yuta.N
Yuta.N
それええな笑
Ryuto.K
Ryuto.K
んなことゆーて、裕太くんがやったら意味ないで?笑
Yuta.N
Yuta.N
せーへんわ!

また皆で言い合いが始まった時、扉の方にいた隼に手招きされた
貴方
貴方
なに?
Hayato.K
Hayato.K
いいから早くこっち来て(小声)

そう言われそのまま扉の外に行き、廊下に出た
Hayato.K
Hayato.K
なんかごめんね笑
貴方
貴方
何が?
Hayato.K
Hayato.K
みんなさ〜、言い合いになると中々収まらないから笑
Hayato.K
Hayato.K
龍友くん達の言い合いにあなたちゃんを付き合わせる意味ないし
Hayato.K
Hayato.K
しかも、今日初めてこの家に来たんだから疲れてるよね…
貴方
貴方
なんかありがと
貴方
貴方
隼は優しいね
Hayato.K
Hayato.K
そうかな?笑

そんな会話をしながら歩いた


隼は友達みたいに気軽に話せる


そう思っているうちに、私の部屋の前に着いた
Hayato.K
Hayato.K
じゃあ今日はゆっくり休んでね!
貴方
貴方
うん

隼が一点をじーっと見つめている
貴方
貴方
どうかした?
Hayato.K
Hayato.K
あなたの首…
貴方
貴方
あ〜……
Hayato.K
Hayato.K
やっぱり…
Hayato.K
Hayato.K
そうだよね
Hayato.K
Hayato.K
2人きりの状態で涼太くんが何もしないわけないよね笑
Hayato.K
Hayato.K
勝手に1人抜け出して、あなたちゃんの一番最初の血を貰っていくなんてずるいよ〜本当…笑
貴方
貴方
あの時嘘ついてごめん…
貴方
貴方
何もされてないなんて言って…
Hayato.K
Hayato.K
いやいや、謝らないでよ
Hayato.K
Hayato.K
別に全然怒ってないからさ!笑

何故だろう、隼には優しくしようとこのとき思った


気軽に話せて、友達のような感じになったからこそなのだろうか、そのような感情が芽生えた


だから私は初めて、優しい態度で接した
貴方
貴方
あの…、欲しいなら、いる…?
Hayato.K
Hayato.K
え…?
貴方
貴方
涼太だけ先に飲んで、それは可哀想かなって…
Hayato.K
Hayato.K
いいの?
貴方
貴方
飲みたいなら…、もう腹は括ってるから…笑
Hayato.K
Hayato.K
あなたちゃんがいいなら…、じゃあ!
Hayato.K
Hayato.K
ここでいい?

隼が指したのは、涼太が吸った首の反対の位置
貴方
貴方
どーぞ

そう言うと隼はゆっくり私の首に顔を近づけ、優しく噛み付いた



チクッとする痛みがあまりなくて、涼太とは違うことがハッキリわかった



数秒後、隼は飲み終わって首から離れる時、ペロッとひと舐めした
貴方
貴方
っん、
Hayato.K
Hayato.K
あ、ごめん!痛かった?
貴方
貴方
いや、大丈夫
Hayato.K
Hayato.K
僕さ、あんまり血飲んだことなくて…笑
貴方
貴方
そうなの?
Hayato.K
Hayato.K
知らない人のを飲むってなんか抵抗があってさ
貴方
貴方
血だからね…笑
Hayato.K
Hayato.K
だからあんま飲み慣れてないの笑
貴方
貴方
そうなんだ
Hayato.K
Hayato.K
でもさ!あなたちゃんの血美味しいね!
貴方
貴方
血って美味しいの?
貴方
貴方
私にはわからない笑
Hayato.K
Hayato.K
僕らには美味しいのっ!
貴方
貴方
はいはい笑
Hayato.K
Hayato.K
なんかごめんね、ゆっくり休んでね!、とか言って長く引き止めちゃって…
貴方
貴方
全然大丈夫だから
Hayato.K
Hayato.K
じゃあまた明日!
貴方
貴方
うん、また明日ニコッ



あなたちゃんの笑った顔、初めて見たかも…



嘘偽りのない笑顔



僕、あなたちゃんのことが好きなんだ

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