アイツらの家に一緒に住むなんて、思いもしなかった。
でも、なぜか心底嫌だという訳でもない。
なんでだろう…?
その日の夜…
涼太はあなたの手を掴んで路地裏のような場所に入っていった。
すると、涼太はあなたの顔の横に手を置いて、あなたと向き合った
涼太は口角を上げて囁いた。
そう言うと、涼太はあなたの首に顔を近づけた。
あなたは、抵抗せずに目を瞑った。
チクッと首に走る小さな痛み。
感じたことのない痛みで、小さく声が出てしまった。
数秒後、涼太はあなたの首から離れ、口元についた血を舐めとった。
そう言って、怒っているのか早歩きで裏路地から出ようとするあなた
あなたちゃんは全部が可愛いな…笑
そして、着いた涼太達の家
目の前にあるのは、大きなお屋敷
中に入ると凄く広くて、迷いそうな感じの家
てことは、私の部屋広いんじゃ…?
そして1つの扉に入る
そこは私の元々住んでた家の部屋よりも大きい部屋だった
周りを見ながら涼太の後ろについて行くと、両開き扉の部屋に着いた
ガチャ、と音を立てて扉を開けば、中から聞こえてくる騒がしい声
予想通り皆から責められる涼太
玲於が睨んでそう言った
その時、後ろの方で皆にバレないように小さく手を合わせてる涼太
バレずにやり過ごせたことに、ほっと一息ついた
涼太も声を出さずに『ありがとう』と言った
また皆で言い合いが始まった時、扉の方にいた隼に手招きされた
そう言われそのまま扉の外に行き、廊下に出た
そんな会話をしながら歩いた
隼は友達みたいに気軽に話せる
そう思っているうちに、私の部屋の前に着いた
隼が一点をじーっと見つめている
何故だろう、隼には優しくしようとこのとき思った
気軽に話せて、友達のような感じになったからこそなのだろうか、そのような感情が芽生えた
だから私は初めて、優しい態度で接した
隼が指したのは、涼太が吸った首の反対の位置
そう言うと隼はゆっくり私の首に顔を近づけ、優しく噛み付いた
チクッとする痛みがあまりなくて、涼太とは違うことがハッキリわかった
数秒後、隼は飲み終わって首から離れる時、ペロッとひと舐めした
あなたちゃんの笑った顔、初めて見たかも…
嘘偽りのない笑顔
僕、あなたちゃんのことが好きなんだ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。