見ては行けないものを見てしまった様な気がした。
会ったら、出来るだけ平常心を保とう。
でも、あれはなんだったの…?
とりあえず、今会ってしまったら色々めんどくさい…
だから、最近アイツらが行ってないであろう森に久しぶりに行くことにした。
久しぶりに1人で来た森は今までにないくらいに新鮮で、気が休められた。
何回かアイツらがいないか気にしたけれど、
私の読み通り、アイツらはいなかった。
すっかり息抜きもできて、森から出て、家路を辿っていた時、
偶然にも程がある。
鉢合わせしてしまった。
向こう側から歩いてくる
アイツらと…。
こちら側に走ってくる涼太。
全く…、毎回毎回会う度にこっちに来て…。
無視するってことが出来ないの?
合わない方が、バレないのにさ〜…。
多分この間のクラブの事だろう…。
今行ったら多分バレる。
バレなくても、もう行きたくない。
とりあえず平常心を保って…保ってね…。
バレないように…。
なんて嘘をついておけばいいだろう。
((まぁホントの事だけど…笑
コイツらと関わるのも正直嫌だ。
あんなの見てからじゃ、
関わりずれーよ…。
コイツらはなんでか知らないけど、思った事を読まれる。
バレるって事も考えないで…。
考えないように…。
玲於はホントに心配してくれてそう…笑
やばい…
グイッと顔をあなたに近づけてそう言う涼太。
昨日の見た光景に似てる、と思ってしまったあなた。
そう思うと同時に顔が強張り、反射的に涼太と距離を離そうとして、後退りしてしまった。
…あ、やばい。後退りしちゃった…。
バレるかな…。
バレるかも、と思う気持ちと共に込み上げてくる不安。
アイツらにとって、見られたくない光景だとして、それを私が見てしまったとしたら、何をされるかわからない。
初めて龍友に会った時のあの恐怖をまた味わうかもしれない。
でも、もう遅い。
やば…、やっぱり読まれたか…。
ホント運ないわ…笑
急に玲於からど真ん中の事を言われ、怯んだあなた。
なんでこーゆー時だけ喋んだよ。
いつも口数少ないのに…。
ついて行ってたことがバレたら、もう嘘はつけないよね…。
もうどうなってもいいや。
全部言おう。
そう思ったあなたは後に後悔することになる。
一瞬にしてさっきの雰囲気が変わり、亜嵐の笑って上がっていた口角も下がり、一言言った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。