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第12話

あの時③
オーディションの日がやって来た。

私は、これまで一生懸命に練習した。

梨子と二人で練習したり、家で一人で練習したり・・・

ほぼ毎日をピアノに費やしたと言っても過言ではない。

負けたくない。弾きたい。

なんでこんなにピアノの伴奏に執着しているのかわからない。

ただ、

ピアノが弾きたかった。


だんだん自分の順番が近づいてくる。

みんなの演奏は聞けない。

外で並んで自分の番を待つのだ。

だから自分のレベルがどれだけのものかが分からない。

期待と不安が入り交じる。

すると、次の順番が梨子ということに気がついた。

梨子はあのあと本気で挑戦することに決めたといっていた。

私は梨子のピアノが好き。

もし、私が落ちちゃうのなら梨子がいい。

ただ、やっぱり私が弾きたい。


私の順番がまわってきた。

ピアノの椅子に座る。

この曲はみんなが楽しめるように明るく弾む感じで。

出だしも完璧にできた。

苦手だった場所も間違えなかった。

自分の中では一番の出来だった。

私はやりきったという達成感を胸に音楽室をでた。

出ると、私で最後なので誰もいなかった。 

「ひいろ!」

突然聞こえたその声に私はビクッとなった。

そこにいたのは梨子だった。

「梨子!びっくりした~なんでここに?」 

「緋色を待ってたに決まってんじゃん!一緒に教室戻ろ?」

私は嬉しくて満面の笑みで

「うん!」

と言った。

でも、心のどこかでこれが当たり前だと思ってたんだ。

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