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第21話

星空とピアノ
「・・・ピアノ?」

私は小さくそう呟いた。

するとその時、星さんが戻ってきた。

「おまたせ~ってあれ?」

星さんは私がその部屋の前にいることに少し驚いたような顔をした。

「ピアノ・・・弾く?」

星さんが聞いてくる。

私はその時、何故か頷いていた。

そして、部屋に入り椅子に座る。

懐かしいこの感じ。

私は、あの時の曲、「小さな世界」を弾き始めた。

結構間があいていたのに指は覚えていた。

最後の音を弾き終えたとき星さんが拍手をしてくれた。

「上手いね」

星さんはそう言った。

私は

「そんなことないです。こんなの全然・・・」

と返した。

音をはずした部分もあったしリズムが少しずれてしまったところもあった。

それでも、星さんは初めて会ったときのように念を押すように

「上手いよ」

と言ってくれた。

私も何だかそんな気がしてくる。

「ありがとうございます」

私はくすぐったいような

そんな気分になった。

星さんといると最近落ち着くだけじゃなくて胸がドキドキして逆に落ち着かなくなる。

でも、この感じは嫌いじゃない。

もう、私はこの正体を分かってる。

私、星さんが好きなんだ。

多分叶わない恋。

だって星さんの目には私はきっと子供っぽく
映っているから。

「・・・好き」

私はいつの間にかそう呟いていた。

星さんには聞こえてなかったみたいだ。

良かったという感情と聞こえてたらどうなっていたのだろうという気持ちで一杯だった。

すると、空がもう暗くなっていることに気がついた。

「あ、やばっ。もう帰らないと!」

私は座っていた椅子から立ち上がり外へと出ようとした。

その時、星さんが言った。

「緋色、君に会えて良かった」

「・・・え?」

「君ならきっとこれからどんなことが起きてもやっていける」

「待って、何ですか?なんか別れの挨拶みたい・・・」

私の言葉に返事をせず、星さんは続けた。

「裏切られたって言っていた親友とも君なら絶対にもう一度仲良くなれる。だから諦めないで。今の友達も大事にな」

「待って、ほんとに何なんですか!?」

私はそう言い放つ。

星さんは続ける。

「俺は、仕事で別の場所に行かなくちゃ行けなくなった。だから、もう、君には・・・会えない」

私は星さんの言葉を聞いて固まる。

「うそ・・・でしょ?」

「嘘じゃない。だから、」

「嫌だ!」

私はそう言い星さんにかけより抱きついた。

「いやだよ・・・星さん。私、星さんのこと、好きです。だからいなくならないで。ずっと側にいて・・・」

星さんが抱きついた私を包み込むように抱いて言う。

「俺も好きだ。だけどそれは、出来ない。俺も嫌だ。でも、それだけは無理なんだ・・・」

私は声をあげて泣いた。

星さんも泣いてくれていたのだろうか。

私がだんだん落ち着いてくると

星さんは私から離れて、

「じゃあね」

と言う。

「待って。ほんとに行っちゃうの・・・?」

星さんが頷く。

「これ・・・」

そう言って星さんが差し出してくれたのは、

縁側にあった綺麗な花だった。

「俺のこと、忘れないで」

私は涙をこぼしながら頷く。

「緋色なら大丈夫だから。何かあったらこの神社においで。俺にはもう会えないけど緋色の心の癒しになるはずだから」

星さんはそう言い

「暗くなっちゃったね。もう帰らないと」

と言った。

私もやっと泣き止み最後は笑顔で

「今までありがとう。さよなら」

と言い神社を去った。

空には星がきらきらと輝いていていた。


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