無料ケータイ小説ならプリ小説 byGMO

第19話

形だけ
次の日。

学校へ行き、いつもの通り誰とも喋らず教室の席につく。

本を広げて読み始める。

本の世界は良い。

私をどこへでも連れていってくれるし、誰にでもなれるから。

私が本に没頭していると朝のチャイムがなった。

「おはようございまーす!今日も一日頑張りましょう!」

先生はそう言い出欠をとった。

そして、

「一時間目は体育で二人一組でバスケのパス練習をします!ペア作っといてくださいね~」

あ、

終わった。

私はそれを聞いて

「またか・・・」

と誰にも聞こえないくらいの声で呟いた。

小学校の時もそう。

二人一組ってなったら必ず余って先生としなくちゃいけなくなる。

・・・あれ?

私のクラスの女子、偶数人数だ。

こっちの方が嫌だな。

一緒に余った子が苦手なタイプの子だったらどうしよう。

第一私のこと嫌がって悪口とか言われたらそれこそ困る。

私がそんなことを一人で考えながら体操服に着替えていると、

「あの・・・」

誰かが私の肩を叩いた。

「・・・はい」

私は驚いて振りかえる。

そこにいたのは隣の席の橋崎心美はしざきここみさんだった。

「えと、なんですか?」

橋崎さんとは隣の席と言うだけでほとんど話したことがない。

話したっていっても落とし物を拾ってもらった時にありがとうと言っただけ。

特に接点はないはずだ。

そんな橋崎さんがどうして私なんかに話しかけてるのだろう。

「あのさ、次の時間一緒にペアにならない?あ、えと、私、ペアいなくてそれで長岡さんがペアいないんだったら良かったら私と組まない?」

橋崎さんは慌てたように捲し立てた。

私は正直誰でも良かったから

「いいですよ」

といった。

橋崎さんは

「ほんと?良かった~。改めて私、橋崎心美!心美とか心美ちゃんって読んでくれたら嬉しいな!宜しく」

と、自己紹介を始めた。

「長岡緋色です。呼び方はなんでも・・・宜しくお願いします」

私も一応自己紹介をした。

「んじゃ緋色ちゃん!一緒に体育館行かない?」

「え、あ、はい。いいですけど」

「行こ行こ!ってか敬語やめて~同い年なんだし」

心美ちゃんに連れて行かれるままに私は廊下を歩いた。

「心美ちゃん、は、他に友達いないんですか?あ、違う、そう言うことじゃなくて、」

私は嫌な言い方になったと思って慌てて言い直そうとしたが言葉が思い付かない。

「ん?んーとね、小学校の時の友達が全員クラス離れちゃって、話せる人はいるんだけどペアってなったらなかなか・・・ね?」

心美ちゃんは嫌がる素振りもなく答えてくれた。

「そっか・・・」

「だから、移動教室とか一緒に行かない?私、弱いと思われるかもだけど、一人で行動とか苦手で・・・」

心美ちゃんは弱々しくそう言った。

「うん。いいよ」

この人ならある程度仲良くできるかもしれない。

でも、私は深く仲良くなるつもりではない。

表面だけ。
裏切られたくないから。


この日から私と心美ちゃんの形だけの友情が始まった。


シェア&お気に入りしよう!

この作品をお気に入りに追加して、更新通知を受け取ろう!

とも@入試終わるまで浮上しません
とも@入試終わるまで浮上しません
ファンマ→💘👾 家族募集中! 双子・・・呉羽 妹・・・紅紅ちゃん、みさちゃん、しのちゃん、ばあむくーへんちゃん、林檎ちゃん
恋愛の作品もっと見る
公式作品もっと見る