謙「もうすぐ退院できるって!病院の先生が言ってたよ」
駿「ほんと?よかった」
謙「あ、駿、顔にまつ毛が…」
名前を呼ばれたと思ったらあの時の女の人みたいに頬に手を当てて見つめあってきた
駿「っ…ぃやっ!!」
あの時の記憶が蘇って気づけば謙杜は椅子から落ちていた
謙「ぁ…ご、ごめん」
駿「ごめん!大丈夫?」
謙「…トラウマになってるん?」
駿「わかんない、でもなんか怖かった…」
流「え、ちょ、謙杜?」
謙「あ、流星くん来たんや」
流「まぁ…うん。ってどうしたん!?」
駿「僕が突き放しちゃって…」
謙「ほおに触れたら思い出しちゃったみたいで」
流「…やっぱり心の傷は治ってないんか」
駿「心の傷?もう治ってるよ?」
謙「治ってない、深い深いところの傷は治ってないよ」
流「…少しずつ治していこっ!」
駿「うん…、。?」
大西side
…正直びっくりした。
本当に目の前で人が殴られて、連れ去られることが僕の近くで起こるなんて
駿「もう、大丈夫!!」
みっちーはそういうけど、きっと大丈夫じゃないと思う
怖かっただろうし、きっとこの先も怖いはず…
流「守ってあげなきゃ!」
「抱え込見すぎないようにね?」
病室の外の椅子で考えていたら上から声が降ってきた
流「大吾さん…///」
急に2人になって早かったとはいえ離れてたわけで…
なんだか気持ちが落ち着かない
大「俺、流星と離れてる間って言っても少しやけど…」
「やっぱふとした時に流星のこと考えてた」
流「…僕も///か、考えてましたっ…///」
そう言って顔を上げたら目が合って反射的に目を閉じていた
大「っ…///」
少しずつ距離が近くなるのがわかった
もう少しっ…
「大吾…。?」
後ろから声が聞こえて慌てて離れた
振り向くと驚いた顔をしながら少し泣きそうな顔をした人がそこにいた
大「お兄…ちゃん?」
この人が…大ちゃんのっ!?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。