道枝side
男「…おい!起きろっ!」
駿「うっ…んぅ?」
ぼやぁっとした視界がだんだんひらけてきて人が見える
大嫌いなあの男と見たことない女の人…?
女「あら、やっと起きた?駿佑くん」
駿「…誰、ですか?」
女「えぇ〜、そうねぇ。ビジネスパートナーってとこかしら」
駿「どういう…」
男「お前みたいな役立たずを渡してくれっていう心優しい方がいたんだよ!」
「勝手に出ていきやがって手間かけさせやがってっ!!」
女「ストップ。殴りたい気持ちはわかるけど、きずができれば金額が減るって言われたでしょ」
「もう十分過ぎるほど付けたみたいだけど」
駿「…流星くんと…謙杜は?」
男「あ?あぁ、アイツらなら助けになんてこねーぞ」
女「ちょっと、黙ってて。早く取引に行きましょう。」
「…でも傷があるとだいぶお金がもらえなくなるのよね」
男「まさかコイツの傷を治してから行く気か?」
女「んー…そうね。私はお金にしか興味ないの。ねぇ駿佑くん?」
謎の女の人は僕の右頬に右手を添えながら名前を呼んできた
駿「…!?」
女「早く傷を治してくれるわよね?」
駿「…ぁ、ぇっ…」
さっきまでキラキラしていた目の光が消えスンッと闇に変わった
女「ね?聞いてくれるわよね?」
駿「…は、い。」
圧に圧倒されて何が何かわからないまま返事を返してしまった
女「そう!?じゃあ、早速お薬飲んで寝ててね」
そういうなり水のような液体が入ったグラスを渡された
男「…さっさと飲め!」
駿「…ぁれ、、、」
飲んだ途端だんだん頭がぼやっとしてきた…
なにこれ…?僕どうなってっ…
西畑side
流「大ちゃん!?」
よかった…繋がって。
繋がるってことはまだ何もされてないって事か?
大「流星?大丈夫?何かおかしなこととか起きてない!?」
流「そ、それがっ!みっちーが連れ去られちゃってっ!」
大「…みっちーが?」
…なんでみっちー?
あの人は流星しか眼中にないはずじゃ…。
てことはみっちーは誰に?
大「流星、みっちーを連れてった奴はどんな感じやった??」
流「…それが、父親とか言ってて。みっちーもひどく怯えてて。あっ!あと女とか言ってた」
なんだ…どういうことだ?
「あ、あの!大吾さんですよね!?」
大「…君、誰?」
いきなり流星の声から違う男の子の声に変わった
謙「あ、流星くんの幼馴染の長尾謙杜って言うんですけど。みっちーが危ないんですっ!」
大「とにかくこっちでもみっちーを追うから!」
流「あ、大ちゃんっ!電話番号だけでも聞いちゃダメ??」
大「…もし聞いてそれがあの人にバレたらまた危害を加えに来るかもしれない。だから毎週水曜日の午後の3:00に非通知で電話をかける。絶対」
流「…わかった。じゃあ、僕たちの方もみっちーを探してみる!」
大「うん!じゃあ、またっ!」
そう言って電話を切った
…まさか流星じゃなくてみっちーに、か。
父親…。アイツか?でも女ってところがどうも引っ掛かる。
とにかく調べないことには何も収穫なしか
大「正門〜!!」
良「はい、なんでしょうか。」
大「あ、別に今はタメで大丈夫」
良「あぁ、了解。」
コイツは一応秘書の正門。
昔、家が仲良くしててそのよしみで仲良しなやつ
ちなみに社長になってからの交友関係で唯一信頼してる人はコイツだけ。
良「…んで?俺を呼んだってことはなんかあるんやろ?」
大「いや、俺が面倒見てた子が攫われたらしくて…ないとは思うけどもしかしたらあの人が関係してんじゃないかなと」
良「ふーん。それってさ、この子のこと?」
そう言いスマホを取り出して少し指を動かした画面に写っていたのは
大「ちょっ!なんでっ!?」
みっちーやった
良「いや、なんでって大吾が送ってきたんやろ」
大「そうやっけ…?」
良「まぁこの子を探すなら防犯カメラから探したほうが速そうやな」
大「じゃあまた何かわかったらよろしく。」
良「はーい。了解しました笑」
大「何笑ってんだよ」
良「いや、電話かけた子の番号探す時よりも冷静だなって」
大「…それは。もういいだろ!さっさと仕事しろっ!」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。