私の誘いを受けた途端、
口にしていたお茶の手が止まって
私の事をジロリと見た。
それもそのはず
だって私、
怖がりだし
ジェットコースター苦手だから
デートで遊園地なんて行こうとしなかったんだもん。
それでも行こうと思ったのは
ミンギュ君からハオが遊園地好きと聞いたから。
ハオの誕生日の為なら
そ、、、そのぐらい頑張れるし!
*******
着いた遊園地は家族やカップル
学生の団体がたくさんで笑顔に溢れている。
そう、私も笑顔で
この雰囲気に飲まれればきっと大丈夫、、、!
喋りながら歩いていると
一番最初に現れたアトラクションが
まさかのジェットコースター、、、、
ハオも私もジェットコースターを見上げて
ハオの顔を覗くと目が合った。
眉毛を下げて私を心配する眼差しが胸に刺さる。
ハオが楽しんでくれるように遊園地に来たのに
ここで絶叫系苦手でした
なんて絶対言わないからね。
大丈夫、
もう何年も乗ってないから
意外といけたりするかもしれないし。
笑顔で笑顔で、、、、、、、
なんて思ってたけど
理想と現実の差
あり得ないぐらいに叫んで魂抜けると思った。
私をベンチに座らせると
隣りに設置されていた
自動販売機から水を買って渡された。
なんてできる人なんだろ、、、、
好き、大好き
結局乗ったのは
ゴーカートにコーヒーカップ
メリーゴーランドとか
小さな子供が乗れるエリアに入り浸った。
私に気を遣ってくれてるのが見え見えで
何してるんだろ私。
でも子供好きなハオが子供と目が合うと
切長の目が更に細くなって
口元が緩んで口角が上がる笑顔を見ると
案外ハオも楽しんでくれてるのかもとか思った。
ハオの指先は空を指したのかと思ったら
少し離れたところにある観覧車。
観覧車の下まで歩いて見上げると
思っていた以上に大きくて、
これに乗ったら
戻ってこれないんじゃないかって思う。
正直観覧車に怖気付いている。
観覧車に乗ると
少しずつ上に上がりながら
ゆらゆら揺れるし
怖くて隣りに座るハオの腕にしがみついた。
目を瞑ると
頭の上にハオの重みを感じて、
ハオの細長い指が髪を掬う。
僕達にも子供、、、、
それってつまり、、、、
驚いて顔を上げれば
にっこり笑ってるハオの顔。
ハオの顔が近づくとそのまま唇が触れた。
触れた唇が熱くて
私の顔も唇からどんどん熱が広がる。
ゆっくり瞼を上げて
外を見ると夕陽が水平線に沈みかかって
空は水色とピンクとオレンジのグラデーション。
(( カシャ
突然聞こえたシャッター音
**・Happy Birthday the8・**
.....fin
〜ここまでスクロールしてくれた方だけの
おまけのお話〜
っていう作者の戯れでした(´ . .̫ . `)
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!