第117話

mh * 終電 ④
5,296
2022/07/15 15:03












顔を向けると








彼はちょうど階段から降りてきたところで



私と目が合った。















mh
mh
、、、あれ?









u
あっ、、、
















少し首を傾げて不思議そうに私を見る彼に




言葉が詰まる


















先週は金曜日に会えるのを

楽しみにしていたはずなのに、









そんな事さえ頭から抜けていて





違う感情でここに来て


彼と会ってしまった自分が恥ずかしくて



目を背けていた。













mh
mh
あー....















今のその声は落胆して?

















きっと彼は察している。






こないだと一緒だって

そう思っているに違いない。























次会う時は



笑顔の私で会える











そうなるはずだったのに、、、、、

















mh
mh
あ、そっかㅎㅎ
mh
mh
日にち跨いでるから
もう金曜日ですねㅎ


u
、、、え?


mh
mh
1人でここまで来させてしまって
すみません;
mh
mh
ちょっと散らかってるけど
すぐ片付けるんで
mh
mh
どうぞ






u
いえ、その....









気づいているんじゃないの、、、、?















彼の顔を見てまた目が合うと


目を細めて優しく微笑むその顔に、









そういうつもりでここに来たんじゃないのに



彼に着いて行っていいのか






思わず彼のいる所に


向けようとしたこの足を直した。













mh
mh
、、、どうしたんですか?










mh
mh
ほら、行きましょㅎㅎ











下から掬うように現れた手が私の手を優しく包んだ













一回り大きな手













手を引っ張られているわけではないのに



彼に着いていく自分。













また今日も彼に救われた。

















部屋に入るなり

"すぐ片付けますね"って言って

玄関で少し待っていたら、



すぐに彼は戻ってきて


"どうぞ"と言われて

先週座った場所に腰を下ろす。
















楽しく話せる気がしない















何かを聞かれて


素の私を知られるのが怖い。











そんな考えばかりが


頭の中でぐるぐる回っている。

















mh
mh
時間も遅いし、寝ましょうか

mh
mh
疲れているのに
こんな遅い時間にすみません;
mh
mh
あ、着替えますか?
男物でもよければ用意しますよㅎㅎ









u
あのッ...何も聞かないんですか...?



















なぜか





聞かれたくないのに私から聞いてしまった。




















mh
mh
あなたが話したくなったら
なんでも聞きますよ

















その言葉を聞いた途端

















彼の何でも受け入れてくれる優しさに涙が出た。





















上手く言葉も出ないで




ただ涙を流す私に














彼の大きな手が



小さい子をあやすように








私の頭を撫でる














その優しさで余計に涙が溢れる。



























目を開けると





どうやら泣き疲れて寝てしまったようで


ベッドの上にいた。















ベッドまで運んでくれたんだ、、、、



















身体を起こすと




目線を下げたすぐ先には




ベッドにもたれかかって寝ている

彼の後頭部が見える。



















u
会社行きたくない...
u
もうやだ
u
辞めたい...












思っていた心の声が


彼を眺めているとポツリと声に出た。















彼の先に見える置き時計が見えると




時間は6時半















一度家に帰るならそろそろ出ないといけない。

















家に帰ったらちゃんと出社できるだろうか





会社から家に戻る事はあるのだろうか


















考えたくもない不安が押し寄せる
























mh
mh
やっと話してくれましたねㅎㅎ



u
!!











寝ていたと思ってた彼の身体がゆっくりと動く。















u
あっ、、
















聞かれてしまった。














聞かれたくなかったけど




振り向く彼の微笑みを見て安心している自分がいる。














きっと誰かに聞いてほしかったんだろう、、



























mh
mh
、、行かなくていいですよ












u
、、、え?








mh
mh
行きたくなければ
ここにいてください




u
でも、、、
会社行かないと...
 








今日もやらないといけない事がたくさんある。



仕事の事を考えると気持ち悪くなってくる。












それでも行かないといけない






これは義務だ。



















mh
mh
行ったら戻ってこれますか?
u
・・・・





会社に行ったら

帰ってくる時の私は


今の思考の私ではいられない






そんな予感しかしない。




















mh
mh
あなたがそんなに思いつめてるなら
仕事を辞めましょ?

mh
mh
大丈夫
mh
mh
会社なんてたくさんあるんですから。
あなたに合う所は他に絶対あります


mh
mh
取り返しのつかない事が
起きる前に....ね?










彼の前だと泣いてばかりだ











昨日たくさん泣いたはずなのに



また涙で頬が濡れる

















u
、、なんであなたはそこまで
私を救ってくれるんですか...ッ?

















mh
mh
あなたはまだ涙が出るから...












ゆっくり立ち上がると


片手にはスケッチブックが持たれて







私の隣りに腰をかけると



スケッチブックが開かれた。
















mh
mh
涙が出るのは
まだ生きたいって思ってるから












mh
mh
初めて会った時も、今も...
あなたは涙を流す事ができます
mh
mh
生きたいって身体は言ってます













mh
mh
だから


mh
mh
ゆっくり休みましょ?












スケッチブックには









先週描いていた

マグカップの絵に









涙を流して眠っている私が描かれていた。


















u
、、、、今日ここに...
いさせてもらってもいいですか?





mh
mh
えぇ、
ゆっくりしてくださいㅎㅎ











               ......fin
新社会人の方もいるだろうと思って書いたのに
時間がかかってしまいました(=ω=;)

辛い事があったら
全てをそこの会社に
捧げなくてもいいんですよってね。
本当に。
思い悩んで心の病気になるぐらいなら
辞めても逃げではないのです。


リクエストでハオちゃんをいただいて
このテーマでいいのか?って思いながらも
書いてしまいました(´ . .̫ . `)
ハオペンさん多いのでね、許して?←


リクエストあればそちらを優先に、
なければ次回からは考えてたお話に合いそうな
メンバーでお話を書きたいと思います( *´꒳`*)੭
なのでメンバーのお話数にばらつきが出始めるかと;

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