第111話

China * 春の嵐
4,847
2022/04/11 12:00









『 ✉️ 今週の日曜日空いてる? 』













『 ✉️ 俺も誘おうと思ってたㅎㅎ 』












陽が沈んだ仕事帰り






3人のグループラインを覗き込む前に

私もちょうど2人と同じ事を考えていた。













u
✉️ 日曜大丈夫だよ😆
時間どうしようか?








『 ✉️ 10時ぐらいに迎えに行くけど大丈夫? 』








u
✉️ うん、いつもありがとね🥲






まだ薄暗い道の街灯の灯りが

チカチカと点滅してから点灯した。









この季節になると毎年必ず3人で集まる。










この集まりを毎年楽しみにしている。

















集まる事自体特別な訳ではない。






誕生日の時や

1〜2ヶ月に1回は都合が合えば3人で集まるけど





この季節ならではの楽しみ。















家が見えると

向かいの道路の横にある桜の木には



大きく膨らんだ蕾が存在感を放っている。


















u
よし!
こんな感じでいいかなㅎㅎ









いつもよりも少しだけ

早く起きて作ったサンドイッチ。












淡いピンクの花柄のナプキンに包みながら、








毎年手の込んだ物なんて作れてないけど






2人の喜んでくれる顔を思い浮かべながら

トートバッグに詰め込んだ。
















jn
jn
あ!来た!






玄関を開けるとすぐ聞こえた声










mh
mh
あなたヌナ






声のする方に振り向くと











大きく手を振って白い歯が見える笑顔のジュンと


微笑みながら手を軽く挙げたミンハオ。










u
ここまで来てくれてありがとね










2人の元に行くと


突然ぶわっと吹いた冷たい風に




髪が乱れて目を瞑った。










u
日差しは暖かいのに風、
まだ冷たいねㅎㅎ








目にかかった髪の毛を目線を下げて整えていると


ふわっとシナモンのような香りが鼻に届いた。











目線を上げると目の前にはミンハオが


自分のかけていたネイビーのストールを






私の首にかけてくれている。










mh
mh
首元空いてると身体冷やすからㅎ




あなた

ありがとう...








言葉は素直にお礼を言えたけど








正直、



少し戸惑う。









迷惑とかでは決して思ってなくて、


変にドキドキして心臓に悪い。






u
、、、!









ミンハオに気を取られていると

肩が軽くなった。







jn
jn
バッグ持つよ?
何作ってくれたか楽しみだな〜♪



u
そんな大したの
作ってないからね!ㅎㅎㅎ






隣りには私のトートバッグを

肩にかけるジュンがいて、









私の意識のし過ぎなのか


年々距離が近くなってきているように感じる2人。

















たぶん気のせい、、、、















この2人は中学の部活で

出会った時からすごく優しい。












その優しさに安心しきっていたけど、











いつからかこの2人のふとした時に


ドキドキするようになった。




















jn
jn
わぁ!サンドイッチだ!
mh
mh
彩り綺麗だねㅎㅎ







桜の木の下でレジャーシートを広げると






ジュンが肩にかけてくれていたトートバッグの中を


" 開けてもいい? "


ってウキウキしながら聞いてきた。










そんな喜ばれる程立派なものを作ってないのに


こんなにも喜んでくれるㅎㅎㅎ













jn
jn
美味しい ♪
ね?ミンハオ!
mh
mh
うん、すごく美味しいよ
u
あ、ジュナ。
それミンハオ用で卵に
きゅうりが入ってる...
jn
jn
え"....だ...大丈夫!
美味しいよ、美味しい!
mh
mh
ㅎㅎㅎ






きゅうり苦手だったよね?



苦手のはずなのにジュンが食べるなんて、、、











mh
mh
ちゃんとジュニヒョン用と
僕用で分けてくれたんだね?
u
うん、
嫌いな物食べさせたくないし
一応好みを合わせたつもり
mh
mh
嬉しいなㅎㅎ
他に僕用に作ってくれたのあるの?
u
うん、
トマトレタスサンドとか
mh
mh
どれ?
u
これだよ













両手に何も持ってないミンハオの前に


トマトレタスサンドを差し出すと、








ミンハオの長い指が私の指先に被さった。










mh
mh
ありがとうㅎㅎㅎ














またこうやって鼓動が早くなる















わざと、、、、なのかな?













jn
jn
あなた!
u
ん?
jn
jn
僕のは⁈
u
あっ...うん、
このチキンサンドとか...





ジュンの前に出してもニコニコして


受け取ってくれない。







まだ食べるタイミングじゃなかったのかな。






聞いてきたのにそんな事ある?












jn
jn
あなたが食べさせてよㅎㅎ






u
、、、、へ?






jn
jn
僕の為に作ってくれたんだから
食べさせて?ㅎㅎㅎ












口を大きく開けたジュン。













何も考えなければ一瞬で終わるのに





意識をしちゃってなかなか進まない手。













この2人はどうして


こんなに私を惑わすんだろうか、、、、











jn
jn
あなた〜








u
あっ....!












ジュンの顔が突然近づいて



思わず手を引っ込めたら








額がぶつかりそうな距離で目が合うと




心臓が飛び跳ねる。
















身体から心臓が飛び出そうになった時




私の手に持ったサンドイッチを齧り付いた。













jn
jn
これも美味しいねㅎㅎ
あなたの作ったのなんでも美味しい!









mh
mh
ちょっと、ジュニヒョン
やりすぎじゃない?ㅎ
jn
jn
先にやったのはミンハオだよ?
mh
mh
僕はそこまで....












jn
jn
抜け駆けはしない約束でしょ?





mh
mh
ちゃんと守ってるつもりだよ?ㅎ















u
ちょっと2人ともさっきから何を....










抜け駆けとか



約束とか、、、、、









u
私をからかっているならやめてよねㅎ















jn
jn
からかう?


mh
mh
僕たち本気だよ?ㅎㅎ











u
きゃっ....!











突風が吹いて




目を細めると









陽射しのように暖かい表情の2人。

















私の心を掻き乱すのは春の嵐

















                   ......fin








今回は恒例(?)の
読者様をランダムで選びました(´ . .̫ . `)

れもん様**
いつも読んでくれて♡ありがとうございます🍀


季節物を書いていたのに、
危うくもう少しで
桜が散ってしまうところでした(´▽`)


次回はリクエストメンバーを
書く予定でございます( *´꒳`*)੭

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